13 research outputs found

    臨地実習における看護学生の教師への期待 : 「教師期待尺度」による学年別比較

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    原著論文Original Paper本研究の目的は、看護学生の教師への期待に関する尺度を開発することと、その尺度を使い学年別に学生の教師への期待を比較することである。対象は3年課程看護短期大学の1年生、2年生、3年生であった。予備調査を行って臨地実習後の教師への期待に関する23の質問項目を作成した。この質問に対する5段階評価の回答を因子分析して、「保護的存在」「教育的存在」「強迫的存在」の下位尺度を抽出し、「教師期待尺度」を作成した。この尺度を用い学年別に比較すると、2年生の「教育的存在」の因子得点は3年生よりも高かった。項目別では、2年生の「教育的存在」の「先生の体験や考えを話してもらい参考になった」の得点が他の学年よりも高かった。以上より、2年生は教師が看護師としての体験や考えを話すような「教育的存在」へと、教師への期待が強くなることが分かった

    看護学生の死生観の学年変化に関する一考察 : 丹下の「死に対する態度尺度」を用いて

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    原著Original Articleこの研究の目的は、「死に対する態度尺度」を用いて看護学生の死生観の学年変化を明らかにし、看護学生の死生観の教育について考察することである。対象は、3年課程看護短期大学の1,2,3年生である。方法は、「死に対する態度尺度」の下位尺度毎の学年比較と、有意差があった因子を構成する項目毎の学年比較を行った。その結果、死を他人事や苦難からの解放とみる「死の軽視」因子は、2年生と3年生の得点が1年生より高かった。項目の比較の結果、責任からの解放と他人の不慮の死に冷淡であることを意味する項目が、3年生の方が1年生より高かった。看護学生の死生観は学年が進むと、不可避な死を客観的に見るような態度に変化すると考えられた。それ以外の下位尺度に変化はなかった。したがって、看護学生への死生観教育には、看護教育や臨地実習で死についての思索のきっかけを与え、様々な死生観があることを教える必要がある。This study aims to clarify the changes of the nursing students\u27 attitude toward death using Tange\u27s scale of attitude toward death and to consider the death education in nursing education. The subjects were the first, second and third year students of nursing three year Junior College in 2001. The factors of the scale and the items of the factors were compared with each academic year. As a result, the scores of the factor of "neglecting death" of the second year students and the third year students were lower than those of the first year students. The scores of the items which meant the release from their responsibility and the indifference to accidental death of person and persons unknown of the third year students was higher than those of the first year students. Therefore, it is conceivable that the nursing students\u27 attitude toward death become more objective to inevitable death. Change in the other subscales could not be observed. In order to foster the nursing students\u27 attitude toward death, in nursing education and clinical practice, it is necessary to give them the opportunity to consider death. Moreover, it is also necessary to provide formal instruction about the attitude toward death

    学年比較による看護学生の共感性に関する一考察 : 2回の横断的研究の比較

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    原著Original Articleこの研究の目的は、看護学生の共感性を比較した2回の横断的な研究から、看護教育による共感性の学年変化を明らかにすることである。対象は、1999年度と2001年度の3年課程看護短期大学の1, 2, 3年生であった。方法は、Davis の対人的反応性指標 (IRI) を用いて年度毎に学年別に比較し、さらに両年度の結果を対比した。その結果、1999年度は想像性、視点取得、共感的配慮に学年差がみられた。2001年度は視点取得と共感的配慮に差がみられた。両年度を対比した結果、共感的配慮が2年生で低くなり3年生で高くなるという変化が同じようにみとめられた。この共感的配慮の変化が看護教育の影響である可能性が高く、時期的に臨地実習が契機になったと考えられる。看護学生の共感性を育成するためには、臨地実習で看護教師が看護学生に、共感性豊かな看護を自ら示すことが重要である

    誤薬事故のリスクに対する管理職看護師と一般職看護師の認識の比較

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    原著Original Articleこの研究の目的は、与薬依頼によって起きた誤薬事故のリスクへの管理職看護師と一般職看護師の認識の違いを明らかにすることである。対象は勤務年数が10年以下の一般職看護師223(一般職群)人と11年以上の管理職看護師108人(管理職群)である。方法は、与薬依頼を題材にした誤薬事故のシミュレーションのリスクの箇所にアンダーラインを引き、事故への関連の深さ(関連度)を評価してもらった。リスク毎の発見者数と関連度の認識数を両群で比較した。その結果、管理職群は一般職群より与薬依頼の際の説明不足と患者に与薬する時の確認不足の発見者数が多かった。一般職群は管理職群よりスタッフ同士の説明不足の関連度を低く認識するものが多かった。管理職群は依頼者側と当事者の責任を重視し、一般職群はスタッフによる略式の与薬依頼を容認する可能性がある。与薬依頼のルールを明確にして、両者の認識を近づけ、誤薬事故を予防する必要がある。The aim of this study was to compare with nurse administrators\u27 and stuff nurses\u27 awareness of the risks of medication error caused by receiving medication requests. The data was drawn from a collection of 223 stuff nurses whose experience years was under 10 years (Stuff nurses group: SNG) and 108 nurse administrators whose experience year was over 11 years (Nurse administrators group: NAG). The subjects underline directly the point of the risks of the simulation and evaluate the degrees of relevance (Relevance levels). The numbers of each risk and relevance levels were compared. The results showed that the numbers of the lack of explanation upon receiving medication requests and those of lack of confirmation to the patient before medication were less than those of SNG. The numbers of SNG of lower awareness to the relevance levels was more than those of NAG. Therefore, it is possible that NAG respects the responsibility of the nurse who ask medication requests and the nurse who administrate to the patient and SNG accepts the informal stuff nurses\u27 medication requests. It is necessary to clear the rule of medication request and prevent the medication errors approximating the awareness of each group

    紙上事例を用いた成人看護学看護過程演習の評価 (第3報) : 関連図を取り入れた演習における学生の自己評価の変化

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    報告Report成人看護学での紙上事例を用いた看護過程演習において、健康障害についての解釈・分析・統合の理解が深まるような演習方法の検討を行い、本学3年次学生に演習前後の自己評価調査を実施した。その結果、健康障害についての関連図作成をグループで取り組ませたことで自己評価得点の有意な上昇がみられた。しかし、演習後にも分析・統合に困難を感じる学生が2割程度みられ、基本的な健康査定や病態の変化など根拠をもとに自ら思考する能力を開発する指導方法についてさらに検討していく必要がある

    本学の成人看護学における看護技術教育

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    報告Report2003年3月、厚生労働省から公表された、「看護基礎教育における技術教育のあり方に関する検討会報告書」を受け、2003・4年度に実施した看護技術教育について検討・評価を行った。2001・2年度入学生の看護基礎教育課程・成人看護学は、成人看護方法論I~IV、成人看護実習I・IIの6科目で構成されている。成人看護学では、看護技術の原理・原則を基盤として、技術の応用と発展的な学習を目標に取り組んだ。成人看護方法論IIでは、心電図検査・肺機能検査を実施した。すべての学生が操作方法を理解し、正確な検査結果を得ていた。臨地実習では、実習前の自己学修課題・期間中の学内演習・臨地実習中に体験した看護技術を調査した。調査結果から、学生が実習中に見学・体験できる看護技術は必ずしも多いとは言えなかった。さらに、学習環境の整備・教育方法の工夫に積極的に取り組む必要がある

    看護学生の共感性に関する一考察 : 職業的同一性との関係

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    原著Original Article本研究の目的は、看護学生の共感性と職業的同一性との関係を学年別に比較することである。対象は3年課程看護短期大学の1, 2, 3年生292名である。共感性測定には Davis の対人的反応性指標を用いた。職業的同一性測定には松下の「職業的同一性地位テスト」を改訂し、職業的同一性拡散 (OD)、職業的同一性達成 (OA)、早期完了 (EC)、モラトリアム (M) の下位尺度を用いた。各尺度を学年別に比較し、下位尺度同士の Pearson の積率相関係数を算出した。学年別の比較の結果、1年生の視点取得は2年生、3年生よりも高く、1年生の共感的配慮は2年生よりも高かった。職業的同一性達成は、2年生が1年生、3年生より低かった。相関分析の結果、1年生で視点取得がOA、ECと負、共感的配慮がODと負の相関関係があり、2年生の個人的苦痛がOD、ECと正の相関関係があり、3年生の視点取得がODと負、共感的配慮がOA、ECと正の相関関係があった。3年生の職業的同一性達成は、看護師に必要な共感性である視点取得と共感的配慮と関係があることが分かった
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