7 research outputs found
製造企業とその外部環境に関する考察 - マクロ環境に焦点を当てて -
企業は、営利等を目的とする経済単位(組織)として主体的に自らを取り巻く環境の中で存続・発展している。その存続・発展のための活動が経営(管理を含む)であり、その主体が企業主体ないしは経営主体であるが、「主体」を省略する場合もある。企業が存続・発展するためには、まず自らの成立要件を明らかにして、自らを取り巻く環境の動きを正しく認識することが不可欠である。そのためには、環境の内外区分を明らかにする必要がある。本稿でこの内外基準を提示した。また本稿では、企業の外部環境のうちのマクロ環境に焦点を当てて考察した。本研究のポイントは、(1)企業の成立要件、(2)企業環境の内外基準、(3)マクロ環境の3つの見方(地球環境、人間環境、地球・人間環境)、(4)PESTeおよび機会・脅威の分析概念図(例)、(5)情報環境と認識主体(企業)の関係概念図(例)の提示の5 点である
TQM とMOT の歴史に関する研究 -初期接点の探求-
本研究の結果を以下のように要約する。まず、TQM と MOT の初期接点の契機を明らかにした。それは、1980 年NBC 放映の「If Japan Can… Why Can\u27t We?」である。これによりアメリカでデミングと日本的TQC が脚光を浴びることになり、アメリカのTQM の萌芽が始まる。また、その直後の1981 年にMIT スローンスクールでMOT コースが開講された。これを契機にTQM と MOT の三つの初期接点が出現する。第一の接点は、1985 年に発表された産業競争力委員会(1983 年設立)の報告書「ヤング・レポート」である。これは技術重視を主張し、その後のMOT の展開に大きく影響している。また、これはすぐ後に制定されるMB 賞法に大いに影響したと判断できる。第二の接点は、1987 年に制定されたMB 賞法である。これは、TQM の確立に直接関与しているだけでなく、MOT にも大きく影響していると思われる。それは、MB 賞評価基準等から読み取れる。最後の第三の接点は、1989 年に発表されたMIT 産業生産性調査委員会(1986 年発足)の調査報告書Made in America である。これも「ヤング・レポート」と同様、技術重視を主張するが、より詳細である。品質向上や継続的改善等にも言及しているので、MOT だけでなくTQM の発展にも大きく貢献したと判断できる
現代生産システムの課題 : 国際化の中で
1. 米国の追い上げ / (1)生産管理の理論的武装 / (2)生産設備のハイテク化 / (3)合理化運動 / 2. 日本の製造業の環境動向およぴ内部動向と生産システム / (1)国際化,情報化およぴ競争激化 / (2)若年労働力の確保難,高齢化,高等教育の普及,女性労働力の進出 / (3)所得の向上・中産階級意識の普遍化,二ーズの多様化 / (4)技術革新,環境問題 / (5)人間尊重,生活大国化 / (6)経済・貿易摩擦や円高に対応した海外生産 / (7)取引サプライヤーの増加,材料・部品の調達管理の重要化 / (8)マーケット指向化とCIM化 / (9)利幅の減少 / 3. 生産システムの合理化のポイント / (1)生産システム設計段階での合理化システムのハード性とソフト性のバランス / (2)生産システムの運営段階での合理