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    成人看護学分野における技術演習教授法の検討 -看護援助の対象となる人を生活者として捉える技術演習の展開-

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     本学部では1年生から看護技術教育が開始されるが,看護技術を専門に教授する領域を持たない教育体制の特徴がある.この特徴を踏まえて技術演習に関する検討を行い,学生は科目同士の関連性を見出しにくいという課題が明らかになった. 本稿では,3年生開講の「治療療養支援技術演習」を担当する教員が,ディスカッションを通じて考案した,「人を生活者として捉える」技術演習の展開方法について報告する. 「治療療養支援技術演習」は,「診療に伴う看護技術」を教授する科目に該当する.今回,看護援助の対象は生活者であると捉え,ヴァージニア・ヘンダーソンの14項目の日常生活行動の視点をもった演習を展開することとした.さらに,共通のフレームワークに沿って授業指導案を作成することで,学生が共通性と相違性を理解しやすいよう工夫した.授業指導案は,1)到達目標,2)ヘンダーソンの14 項目で該当する生活行動,3)ヘンダーソンの項目が満たされていない原因,4)援助方法全般の中で当該技術の位置づけ,5)事前・事後課題の内容,6)必要物品,7)人員配置,8)技術テストの評価ポイントの8項目で構成される. 今回,全ての看護技術は対象者の生活行動を補うためのものであり,対象者が生活者であることを学生が理解しやすい授業設計を検討した.本科目は平成29年度の開講であり,授業指導案の効果を現時点では評価できない.今後は教授する際のキーポイントをより明確にし,学生の理解度を評価することで技術教育方法の妥当性の確認が必要である

    A Study on The Developmental Stages of Consultation Skills of Certified Nurses in A Hospitals

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    本研究の目的はA 病院で勤務する認定看護師の相談能力が発達する段階と能力を発達させるための方策を明らかにすることである.A 病院に勤務する認定看護師更新審査を経験した認定看護師9 名を対象に,フォーカス・グループ・インタビューによりデータ収集し分析した.認定看護師の相談能力は4 段階にわたって発達していることが明らかになり,相談活動の実践を可能にしている能力を【自分の持つ知識や技術を惜しみなく提供する思いを持ち,手探りながら地道に相談にチャレンジする能力】【相談対象と現場の理解に基づき,自立を目指して一緒に考えながら,専門知識と技術を駆使する能力】【周りの人と協働する関係性を築き,問題の本質に迫って目標を定め,人を巻き込んで解決に向ける能力】【部署を超えた周囲との信頼関係を前提に,ポジションパワーを活用し,未知の領域に踏み込み,組織的な課題の解決に向けチャレンジする能力】と命名した.また,能力を発達させるための方策として,『姿勢』『努力』『学び』というテーマで13 個の重要カテゴリーが抽出でき,加えて,役職と活動形態は相談能力の発達に影響する要因であることが明らかになった.認定看護師専門分野にかかわらず,相談能力には質的に異なる4 つの発達段階がある可能性が示された.各発達段階で示された能力は,自身の努力と管理者支援の方向性を考える参考になると考える.departmental bulletin pape

    大学キャンパスにおける教職員を対象としたJRC蘇生ガイドラインのエビデンスに基づくBLS教育の実践報告

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     心肺停止を目撃したバイスタンダーが,直ちに心肺蘇生とAEDによる除細動を実施することで救命率・社会復帰率を向上させることは重要な課題である.大学のキャンパスにおいて,日本蘇生協議会の蘇生ガイドラインに含まれる普及教育のためのエビデンスに基づき,学生と教職員を対象としたBLS教育を実践したので報告する.50 分という限られた時間と35 名程度の定員という制約に応じて,胸骨圧迫技術の習得という主要目標を絞り込み,事前や準備時間に動画を用い,評価用のシミュレーターで技術を目に見える形でフィードバックするなど,エビデンスを活用したBLSプログラムを企画・実施した.23 名の教職員の参加があり,事前アンケートに回答した22 名のうち14 名(36.6%)が過去にBLS講習の受講歴があったが12 名(85.7%)は5 年以上前の受講であった.事前・事後アンケートに回答した19 名の結果から,BLSのポイントに関する理解の深まりの自覚と共に,知識確認の正解率は有意に高くなった.知識と技術が身についたことによって,BLSの実施意思が有意に向上したと考えられる
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