72 research outputs found
Foreword
「日本研究」再考 : 北欧の実践からRethinking "Japanese Studies" from Practices in the Nordic Region, コペンハーゲン大学, 2012年8月22日-24
From Sano Mayuko ed., Bankoku hakurankai to ningen no rekishi [Expos and Human History], Shibunkaku, 2015 Contents / Introduction : About This Book
万国博覧会と人間の歴史, 国際日本文化研究センター, 2015年12月17日-20
江戸時代における外交使節の登城・将軍拝謁をめぐる文化史的考察
文化政策学部長特別研究費交流 本研究は、報告者が既刊論文「幕末の対欧米外交を準備した朝鮮通信使――各国外交官による江戸行の問題を中心に」(国際日本文化研究センター第29回国際研究集会プログラム・予稿論文集『前近代における東アジア三国の文化交流と表象――朝鮮通信使と燕行使を中心に』掲載)および「幕臣筒井政憲における徳川の外交――米国総領事江戸出府問題を中心に」(『日本研究』第39集掲載)にまとめた考察の続編と位置づけ、ここまでの研究をさらに深めるために計画したものである。なお、上記論文の前者は平成18年度、後者は平成20年度の文化政策学部長特別研究費による成果の一部であった。 上記の二編では、欧米諸国との外交が本格的に開始された日本の幕末期において、それ以前の江戸時代を通じて展開された日本と朝鮮半島との関係が、いかなる形で新しい外交活動の土台をなしたのか、主に外交史の見地から検討した。本研究では、これまでに見えてきた江戸時代における(「近世」から「幕末」への)国際関係の連続性を背景に、その論証の素材としてきた欧米外交使節の江戸出府~登城・将軍拝謁の場面をあらためて取り上げ、個々の文化要素をより具体的に検証することを目的とした。 本プロジェクトは歴史研究であり、方法は基本的に史料調査である。欧米外交官の中でも、幕府が将軍拝謁を認めた最初のケースであり、その意味で過去の朝鮮通信使事例の参照もきわめて直接的に行われた、米国総領事タウンセンド・ハリスの出府~登城を主な素材として分析を進めた。 第一に、日本側の外交記録とハリス側の記録をつぶさに照らし合わせることで、ハリス登城日の実際を追跡、次にその成果を、過去の朝鮮通信使の登城・拝謁儀式の実際と重ね合わせることにより、儀礼の個々の要素をめぐって幕府がどのような先例評価を行い、米国使節の迎接様式を構築していったのかを割り出した。その過程で必要に応じ、琉球使節やオランダ商館長など、他の外国人の登城事例に関する史料も参照した。さらにそうした全体について、対外関係事例の枠を超え、幕府の儀礼一般に関する史料や先行研究等を用いて確認を行った。 なお、平成20年度までの学部長特別研究費プロジェクト等の積み重ねにより、平成21年度には科学研究費補助金(若手研究B「徳川外交の連続性――『近世』から『幕末』へ、幕臣筒井政憲に見る経験の蓄積に着目して」)の交付を受けることができたため、同補助プロジェクトとの相乗効果を最大限に発揮する形で研究を進めた。 幕末における欧米外交官の登城・拝謁に関し、本プロジェクト以前の外交制度的な理解を基盤に、今回は服飾、饗応、儀式空間の設営等の諸要素に具体的に着目して、外交儀礼の文化的な内実を相当程度明らかにすることができた。外交儀礼の態様は、そのときどきの政策遂行者の対外認識ないしは自国認識が形になったものと位置づけることができるにもかかわらず、これまで、外交の政治的な中身に比して十分に研究されてきたとは言えず、その点で、一つの重要な領域を開く端緒をなすことができたと考えている。またそうした実証的検討を通じて、より抽象的なレベルにおいては、報告者の関心事項である、徳川幕府による外交の近世から幕末への連続性を、さらに明確に主張していくための土台を整えることができたと言える。 なお、研究上の場面における具体的成果は前頁のとおりであるが、平成21、22年度に担当した国際文化学科「文化交流論」の講義にも、該当するテーマの時間において、本研究の成果を生かすことができた
幕末外交儀礼の研究 : 欧米諸国外交官による登城・将軍拝謁式を中心に
学位の種別: 論文博士審査委員会委員 : (主査)東京大学教授 三谷 博, 東京大学准教授 小川 浩之, 東京大学准教授 川島 真, 東京大学准教授 渡辺 美季, 東京大学教授 鶴田 啓University of Tokyo(東京大学
- …