14 research outputs found

    Desirable Elements of Local Support for Child-Rearing in the 2020s:An Examination of “the Discussion on What Local Childcare Should Be”

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    厚生労働省は、昨今の子どもの数や生産年齢人口の減少、地域のつながりの希薄化等を踏まえ、2021年5月から「地域における保育所・保育士等の在り方に関する検討会」を8回開催し、その「取りまとめ」を2021年12月20日に公表した。この「取りまとめ」が現時点で政府が保育所・保育士等に求めている方針の最新版である。加えて、子育てひろば全国連絡協議会が公表している厚生労働省「子ども・子育て支援推進調査研究事業」の各年度の研究結果報告(2017(平成29)年度から2021(令和3)年度)は、令和になる前後の時代の地域子育て支援の現場の声を最も反映していると考えられる。また、コロナ禍も3年目になり、コロナ禍で出産育児をしている3歳未満児の親子の支援の必要性が叫ばれている。  本論では、「取りまとめ」で示されている4点の「具体的な取組内容」の中で「②多様なニーズを抱えた保護者・子どもへの支援」、「③保育所・保育士による地域の子育て支援」を取り上げ、上記厚生労働省の調査研究報告を踏まえて、令和に入った2020年代に求められている保育所・保育士等の未就園児家庭に対する地域子育て支援について具体的な方策と得られつつある成果、残された課題を論じた。departmental bulletin pape

    保育所の特性を生かした子育て支援 ―保護者が支援されていると思わないところでの支援―

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    現行2017年告示の保育所保育指針では「保育所の特性を生かした子育て支援」が強調されており、解説には、保育所の特性についてその具体的な内容も書かれている。本論では、まず「保育所の特性を生かした子育て支援」について指針と指針の解説の内容を検討した。次に、2008年告示旧指針解説書においても「保育所の特性を生かした支援」や「子どもの保育と密接に関連した保護者支援」という文言があるにもかかわらず、2015年の保育士へのアンケート調査結果から、日常の保育業務を保護者支援・子育て支援の視点から捉えていない保育士の実態を明らかにした。最後に、筆者が考える「保育所の特性を生かした子育て支援」について、保護者が支援されていると思わないところでの保育士の支援を述べ、現指針で強調されている「保育所の特性を生かした子育て支援」を行うにあたって、保育士の日常の保育を保護者支援・子育て支援の視点から見直す必要性を論じた

    園内研修を創り出す主任保育士研修の試み

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    本研究では、まず、先行研究の検討と事前のアンケート調査から、園内研修の中核的役割を担っている主任保育士が感じている園内研修を実施する際の課題として「研修体制の確保」「話し合いの雰囲気の醸成」「研修内容と目的設定」の3点を明らかにした。また、園内研修の「進め方」と「方法」に学びの関心があることが示された。これらは、日にちと時間を決めて全員参加で行う研修が保育現場では困難になっていること、そして、職員体制の複雑化した保育現場で話し合いをする雰囲気が醸し出せないという難しさが加わり、主任保育士は園内研修の方法や進め方に苦慮している現状を示している。加えて、筆者らは、主任保育士研修における研修内容「園内研修」に参集した主任保育士が、上記の困難な状況があっても実施できる自園に合わせた園内研修を創り出す研修内容を検討した。その際、主任保育士が今ある自身の保育経験や知識、技術を肯定的に捉えることをねらいとして組み込みこむことで、同じ困難性や課題をもつ仲間とのグループワークを通して、自園の園内研修に対して柔軟な考え方を得、自園の園内研修に積極的に取り組む自信を得たと考える

    新しい生活様式の中での子育て支援 ―コロナ時代における地域子育て支援センターの役割―

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    本研究では、地域子育て支援センターの職員が新型コロナウイルス感染症の不安のある時代において子育て支援センターの役割や運営についてどのように考えているのか、「緊急事態宣言直後と現在の気持ちや考え方の変化」、「センターを運営していく上でやり方や方針を見直したこと、新たな視点」、「現状でのセンターの新たな役割」の3点についてアンケート調査から明らかにした。コロナ禍において社会全体が不安感で包まれている時代だからこそ、地域子育て支援センターには、親子が楽しめる場所であるだけでなく、子育て家庭が安心できる場所、ほっとできる場所であることが今まで以上に求められている。職員自身が感染のリスクを考慮することや、感染防止のための危機管理・安全管理を行うことはもちろんであるが、安心を求めてやってきた親子が支援センターで不安や緊張感から解放されてのんびりゆったりした時間を過ごしている傍に職員がさりげなく寄り添うことで、新しい生活様式の中で親子が求めているきめ細やかな支援ができるのではないかと考える

    保育実習Ⅱ事後指導における学生の学び ─模擬保育における自己評価と他者評価の相違点から─

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    COVID-19により、学内プログラムとなった保育実習Ⅱにおいて、16人グループで一人30分の模擬保育(15人が子役)を実施し、ベテラン保育者から評価を得た。模擬保育に対する学生自身の評価とベテラン保育者からの評価を学生同士がグループ内で共同省察することで、保育に対する課題や認識を明らかにすることを事後指導の目的とした。共同省察の結果、学生とベテラン保育者の共通点として、省察で取り上げる観点が一致していた。一方で、観点が同じであっても、その省察の深さの違いが相違点として現れた。学生は個々の事象に対する省察をするのに対し、ベテラン保育者は全体的な保育の中で課題を捉えていることがわかった。初学者である学生は、点として状況を捉えてしまうが、点と点を結び線にしていく、線と線を結び面にしていく作業は、現場では保育者が、学内の模擬保育では教員が担わなければならない。今回はベテラン保育者によってその作業が行われたが、今後実習の事後指導においては、教員もそこを意識すべきだと考える
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