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    T2強調心臓MRI画像にて高信号領域を認めた冠攣縮性狭心症の1例

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    T2強調心臓MRI画像は心筋浮腫を高信号領域として描出するとされ、心筋梗塞などの急性期診断に有用とされている。今回、われわれはT2強調心臓MRI画像が陽性を示した可逆性心筋虚血症例を経験したので報告する。症例は30歳、女性。2008年1月下旬昼過ぎから息苦しさと胸部圧迫感が出現。緩解と増悪をくり返すため16時40分当院救急外来受診。心電図にてa VR以外の誘導でST低下を認めたが自然に症状は改善し心電図も改善した。しかしその後再び4/10程度の症状が出現し心電図も再びST低下を認め、また自然に消失するという発作を繰り返したため入院治療とした。入院後はニコランジルの持続点滴にて胸痛は出現せず、翌日に施行したT2強調心臓MRI画像で心筋浮腫を示唆する高信号領域を認めた。冠動脈CTでは有意狭窄を認めず、胸痛発作は冠攣縮によるものと考えられた

    冠側副血行に及ぼす冠静脈洞内圧上昇の意義 冠静脈洞閉塞法による検討

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    雑誌掲載版冠静脈洞閉塞(CSO)により虚血域の心筋血流量,即ち非虚血域からの側副血行血流は78%の例で増加した.CSO時の虚血域△局所心筋血流量と△冠静脈洞内圧(CSP)との間には有意な正相関を認め,冠動脈閉塞解除後の反応性充血の程度はCSPの上昇度負の相関を示した.このことから,CSOによるCSPの上昇度が,非虚血域から虚血域への側副血行血流を規定する重要な因子の一つであることが示唆され

    冠攣縮により心室細動をきたし家人による心肺蘇生、救急隊による自動体外除細動器により救命できた1例

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    雑誌掲載版症例は63歳、男性。高血圧、高尿酸血症にて近医通院中だったが内服中のカルシウム拮抗薬を数日間自己中断していた。2009年3月上旬、12時30分ころから前胸部痛が出現し近医を受診した。13時ころ心電図記録中にST上昇とともに心肺停止状態となり、そばに付き添っていた元看護師の妻が心臓マッサージを開始、救急隊到着時の意識状態はJCSIII-300、自発呼吸はなかった。自動体外除細動器で心室細動を確認しDC360J×1回で除細動され心拍再開後、前医に搬送された。13時20分、前医到着時は意識清明、自発呼吸も回復しており、心電図のST上昇も消失していた。冠攣縮性狭心症、致死性不整脈疑いで当院に再搬送された。硝酸薬の点滴、カルシウム拮抗薬再開で入院経過中に胸痛発作はなく不整脈も出現しなかった。内服継続下での冠動脈造影、アセチルコリン負荷試験、心室頻拍誘発試験はいずれも陰性であり、植込み型除細動器の植え込みは見送った。冠攣縮自然発作の心電図記録直後に心肺停止となり、bystander(救急現場に居合わせた人)による心肺蘇生と、救急隊による除細動の連携により合併症なく、心室細動から蘇生した稀な症例である

    心病変を合併したMELASに対する心房ペーシングの知見

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    雑誌掲載版21歳男。発作性の頭痛,嘔気,眩暈を主訴に入院した。理学的に低身長,難聴,筋萎縮,小脳失調を呈し,血液,髄液中の乳酸とピルビン酸の濃度が高かった。家族歴では3人が突然死していた。心電図検査で左室肥大,心エコー検査でび漫性の左室壁肥厚を認めた。運動負荷により血液中の乳酸,ピルビン酸濃度が著明に上昇したが,心房ペーシング負荷試験では冠静脈洞の乳酸,ピルビン酸は上昇しなかった。右室心筋生検の病理検索の結果,HE染色で心筋の空胞様変性を,Gomori-trichrome染色でragged red fiberを,電顕でミトコンドリアの異常集積像を認めた。また,骨格筋の電子伝達系酵素活性測定ではcomplex 1欠損が認められ,ミトコンドリア脳筋症と診断され
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