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    吸気筋トレーニングが横隔膜運動に与える影響 ―dynamic MRIを用いた横隔膜運動解析による検討―

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    慢性呼吸器疾患患者、胸部外科術後患者、長期人工呼吸器装着患者などでは、横隔膜や肋間筋などの吸気筋に筋力低下を呈する。そのような病態を改善するために、呼吸リハビリテーションでは呼吸筋のトレーニングを実施する。その吸気筋力は、最大吸気口腔内圧(Plmax : maximum inspiratory mouth pressure)を用いて、評価されている。しかしながら、このPImaxは、強制吸気時に測定することから吸気筋である横隔膜・外肋間筋に加え、大胸筋・斜角筋・胸鎖乳頭筋などの補助吸気筋を含めた総体的な圧となるため、横隔膜単独の変化については判定が困難である。吸気筋トレーニング(Inspiratory Muscle Training : 以下IMT)がPlmaxを増大させる事は明らかであるが、横隔膜運動にどの様な影響を及ぼすかは不明である。本研究は吸気筋力と横隔膜の移動距離との相関性を解明するための予備的研究として、吸気筋トレーニング(Inspiratory Muscle Training : 以下IMT)実施前後での横隔膜運動距離の変化をdynamic MRIを用いて評価し、両者に同様の傾向があるかどうかを調べることにある。本研究結果、IMT前後の横隔膜の移動距離差は対象者1で0mm、対象者2で11.9mmであったにも関わらず、吸気筋力の変化は対象1で39cmH20、対象2で6anH, 0'であった。本実験では、吸気筋力と横隔膜運動に、先行報告にあるような顕著な相関性の傾向が認められないケースであった。むしろ本結果から、吸気筋力の増強には横隔膜運動の増大だけが主要因ではなく、その他の要因が関与している可能性が示唆された
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