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    インターネット オ リヨウシタ ニホンゴ キョウシ ニ タイスル キョウザイ セイサク シエン ミンナ ノ キョウザイ サイト ノ コウチク ト ウンヨウ

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    国際交流基金日本語国際センターでは、海外の日本語教育支援事業の一環として、2001年4月より海外の日本語教材制作を支援するためのウェブサイト「みんなの教材サイト」の構築に着手し、2002年5月に第一次開発を終了し運用を開始した。本サイトの趣旨および目的は、(1)世界のいかなる地域の日本語教師でも活用できること、(2)著作権許諾の手続きを必要とせず、自由に活用できる日本語教育用素材を提供すること、(3)利用者が素材・情報を受容するだけでなく発信もできる双方向性を確保すること、(4)教材に関する日本語教師間の相互交流を促進させ、教師の専門性発達に寄与すること、の四つにまとめることができる。本サイトのデザインおよび開発においては、コンピュータによる協調学習支援(Computer Supported Collaborative Learning:CSCL)研究の知見を理論的枠組みとし、教材制作を通しての教師の専門性発達を支援するために、教師教育における内省アプローチの考え方を取り入れた。開発段階においては、利用者にとって使いやすいウェブデザインをどのように実現するか(ウェブユーザビリティ)を重視した。まず、「みんなの教材サイト」の開発背景とそれに基づく機能概要について述べ、次に、第一次開発の実際とそこで行われた「状況に埋め込まれた評価」の試みを報告する。さらに、サイトの継続性を保つことを旨とした運用の実際と運用に関する評価について述べる。それらの結果をふまえ第二次開発では、(1)コンテンツの拡充、(2)利用者検索の充実、(3)利用者同士の双方向的やりとり機能の追加を行っている。最後に、今後の課題として、非母語話者利用者への支援のありかた、そして海外の日本語センターとの連携、さらに内外の教師支援サイトとの連携を考えていく必要がある

    ニホンゴ キョウシ ノ タメ ノ CSCL カンキョウ ミンナ ノ キョウザイ サイト ノ カイハツ ト ヒョウカ リヨウシャ ノ シテン オ ジュウシ シタ サイト カイハツ ト ウンヨウ ノ ジッセキ

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    「みんなの教材サイト」は、教材用素材の提供と、日本語教師がそれぞれの教育現場で教材作成や授業設計に役立て、また他の教師との相互交流を通じて各自の専門性を高めていくことを支援するために開発されたウェブサイトである。本サイトは、内容・機能面においては、学習科学の一分野であるコンピュータによる協調学習支援(CSCL)研究を理論的枠組みとしている。また、サイトの開発・評価の方法論として、教育工学におけるシステム的な教材設計・開発の手順、教授設計論(Instructional Design)を参照した。本サイトの開発及び運用面での特徴として、各局面ごとに評価を組み入れ、「形成的評価」を重視している点が挙げられる。 本稿では、教授設計論という観点から、サイトの開発及び運用方法についての評価と課題について述べる。また、CSCL環境の構築という観点から、サイトの内容・機能面の評価と課題について分析し、今後の方策について述べる。 まず、これまでの開発及び運用について、Flagg(1990)の言う形成的評価の三つの観点に基づいて見直した。Flaggは、形成的評価の観点として「使いやすさの問題」「受容の問題」「有効性の問題」の三つを挙げている。第一次開発では、ユーザーテストに代表されるように、主に「使いやすさの問題」に評価の焦点を当てた。第二次開発では、「使いやすさの問題」に着目すると同時に、教師研修で本サイトを利用し、利用者の反応を見るなど「受容の問題」にも注意を払ったといえる。現在進行中の第三次開発では、これら二つの問題に注意を払いつつ、「有効性の問題」について評価を行うことが重要であると考えている。「有効性の問題」の評価の準備段階として、CSCL環境の構築という観点から現時点でのサイトの評価を行い、利用者ニーズを把握するためのログ解析ツールの導入、利用者ニーズにあったコンテンツ開発を行うための利用者の類型化(ポジショニングマップの作成)、センター内外の教師研修との連携、の三つの方策が有効であるという認識に至り、第三次開発に反映した
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