2 research outputs found
コジン ドウテイ ニ カカワル 4ツ ノ コンニチテキ ココロミ
一人の個人を一人の個人と同定すること、即ち個人同定という概念は、古くから伝統的な法医学や古典的な犯罪学の中に育くまれてきた概念である。今日では、個人情報保護法として、個人を定める情報の保護という視点から、社会的に異なった視点から捉えられている。本稿においては、この個人同定の限界を探る自然科学における今日的な試みを紹介する。2つの日本学術振興会科研費を獲得して試行される4つの試みであり、既に一つは成果が上がりはじめている。この個人同定という概念は、人文科学的にみると仏教をはじめとする幾つかの宗教の奥義にある輪廻転生という思想に結びつく要素を孕んでおり、本稿に紹介する最後の研究は自然科学的なものでありながら、その要素に近づきつつあることを興味深く概観している