11 research outputs found
ジッシュウ シドウシャ ニヨル ジッシュウ スーパービジョン ノ カダイ キョウイクテキ キノウ オ チュウシン トシテ
本研究は,実習指導者による実習スーパービジョンの課題について,教育的機能の視点から明らかにするものである.社会福祉士実習指導者講習会の受講者にアンケート調査を行った.その結果,受講者の8割以上が,スーパービジョンの経験がないまま,実習指導者として実習スーパービジョンを担う立場にあった.実習指導者の多くは,教育的機能の実施がもっとも難しいと捉えていた.その理由として,環境要因,教育方法,スーパーバイザーとしての自分自身の要因から整理できた.実習指導者の担う教育的機能の明確化や実習担当教員と実習指導者の連携のあり方,実習指導者の置かれている状況に対応したフォローアップ体制の検討が今後の課題である
エンシュウ キョウイク ニ オケル ソウダン エンジョ ジツム ケイケンシャ ノ マナビ ジッセン ト エンシュウ キョウイク ノ コウゴ サヨウ ニ チャクモク シテ
本研究は,実習免除者に焦点を当て,社会福祉士養成課程における相談援助演習の学びを明らかにすることを目的としている.そこで,A大学の通信教育課程で実習免除となった学生に対し,インタビュー調査を行った.その結果,実習免除者は,実習免除で学ぶことの不安と実務経験があることの強みという,相反する思いが背景としてあった.学びの方法として,実務経験やテキスト,他の学生から学び,自分の実践をふりかえっていた.これらの学びを通して,視点が変化し,学んだことを実践で活かすなど,実習免除者は自身の実践現場と演習教育の場を行き来しつつ,学んだことを実践現場にいかしていた.つまり,実践現場と演習教育の両者を意識して連動させながら,学びを深めていた.実習免除者向けの演習教育のあり方として,実践の根拠となる意味づけや言語化につなげるための演習教育の必要性が示唆された.実習免除者の演習科目を担当する教員には,実務経験に耐えうる演習教育が求められる
グループ スーパービジョン ケイケンシャ ノ ヘンカ ノ プロセス ト ヨウイン ニ カンスル ケンキュウ セイチョウ オ ササエル シテン カラ
スーパービジョンの目的は, スーパーバイジーである援助者の成長であり, 援助者が成長することで利用者へよりよい援助ができるようになることである. 本研究では, スーパービジョンの定義を 「援助者の援助」 と位置づけ, 支持的なスーパービジョンを経験することでスーパーバイジーにどのような成長があったのか, そのプロセスを示し成長の促進要因を明らかにすることを目的とする. グループスーパービジョンの参加者に対し, グループインタビューを行い, 定性的 (質的) コーディングを行った. 本研究の結果, グループスーパービジョンを経験することで, スーパービジョンの場が安心できる場として機能し, 促進要因としてルール, メンバーや事例, スーパーバイザーからの学びなどが示された. そのベースには, 支えられ感があった. スーパービジョンの終了後, 実践の変化がみられ, スーパーバイジーからスーパーバイザーへ成長しようとしていた. これらを踏まえ, 成長を支える視点の必要性について述べる
ジッシュウセイ トシテノ セイチョウ オ ウナガス ヨウイン ニ カンスル ケンキュウ ツウシン キョウイク カテイ ニ オケル スクーリング ジュコウ ゼンゴ ノ ヒカク
本研究の目的は, 相談援助実習において, 学生が実習生として成長する際, その成長を促す要因を明らかにすることである. 相談援助実習指導のスクーリング (面接授業) を受講した通信教育課程の学生を対象に, スクーリング前の状況とスクーリング受講後の変化の内容・変化に影響を与えた要因について分析をした. その結果, スクーリング前の状況として, 学生は漠然とした実習イメージをもち, 実習やスクーリングそのものに対する不安を抱えていた. しかし, スクーリングを受講することによって, 他の学生や教員からの学び, 課題等の意図を理解することで, 不安が和らぎ, 実習イメージが具体的になっていた. スクーリング後の変化として, やることが明確になり, 実習生としての心構えと責任感が出てきた. 実習イメージの変化に影響を与えた要因として, 他の学生の力, 教員の力, 学習内容, 気づく力の 4 つがあり, これらは実習生としての成長を促す要因であることが示唆された
ソウダン エンジョ ジッシュ ニ オケル ジッシュウ キョウイク スーパー ビジョン ノ ゲンジョウ ト カダイ
本研究は, 相談援助実習の巡回指導における実習教育スーパービジョンの内容とその課題を明らかにすることを目的としている. 巡回指導における複数回の実習教育スーパービジョンにおいて, それぞれの回で取り上げるべき実習教育スーパービジョン項目があることを仮説とし, 各回の実習教育スーパービジョンの項目を明らかにするための調査を行った. 分析方法は, 新カリキュラム初年度に本学通信教育課程の教員が作成した 『巡回指導ガイドライン』 の分類枠組みを作業仮説とした逐語データの分析である.その結果, ①それぞれの回の巡回指導を構成する実習教育スーパービジョン項目の位置づけ, ②実習生の語りから実習教育スーパービジョンの手がかりを得ることの有用性, ③実習教育スーパービジョンにおける 「実習記録」 活用の有用性が明らかになった