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    建学の精神の徹底を図る初年次教育の実践と課題 ―ホスピタリティ概論の分析から―

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    本研究は、2017年度から始まった本学の初年次教育を定着させるとともに、新入生が大学での教育を理解し、建学の精神に代表される理念やディプロマポリシーを自分のものとして捉え、その実現に向けた主体的な学修の基盤を構築するという初年次教育の目標の達成を図ることにある。このためには、彼らの特性をとらえるとともに、彼らが初年次教育をどのように捉え、理解したかを把握しなければならない。そこで初年次教育の科目の一つとして開設された「ホスピタリティ概論」を活用して、全受講生を対象とした2つの調査を3年間実施した。1つ目の調査は入学当初の学生像をとらえ授業展開に生かすために学生の特徴を把握するものであり、第1回目の授業で実施された。2つ目の調査は授業内容の理解度を評価するものであり、第10回目に実施された。これらの回答を年度と学科毎に集計、分析した。その結果、次のことが明らかになった。①オープンキャンパスへの参加や進学希望状況などの本学入学に至る経緯が学科によって異なること、そして、入学当初には心身に不安を抱いている学生が、どの学科にも相当数存在すること。3年間の調査によって各学科の学生の特色が明らかになり、学科毎の適切な学修支援方策の作成に向けた示唆が得られたこと。②この講義を受けて、建学の精神であるホスピタリティの獲得に大学が力を入れており、その実現が求められていると多くの学生が認識していること、及び、本科目の重点目標である多様性の理解力の育成につながる他学科の学生とのコミュニケーションの機会に意義を見出していること等から、授業の目標達成に向けた順調な歩みが見られること。これらの結果及び他の科目の報告から、初年次教育が定着しつつあること、そして、その目標達成に向けた歩みが順調であると判断した。ただ、更なる充実のための課題も浮かび上がっている
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