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当科における高齢子宮頸癌患者の臨床的実態
雑誌掲載版10年間に治療した頸癌患者は849例(0期を含む),内70歳以上の高齢者は100例,これを70歳未満の若年者749例と比較した.高齢者数は毎年10例前後で患者全体の7.6〜16.0%を占めていて,特に増加傾向はなかった.臨床進行期をみるに,0〜1a期の頻度は若年者に比較し低値で,根治手術の適応の可能性が考えられる2期までの患者は高齢者で47%で若年者の84%に比べ明らかに低値であった.治療は2期においても症例の24.1%(7/29)は手術が施行されているが,残りの65.5%(19/29)は放射線療法を施行されていた.予後の検討では放射線単純療法でも良好であり,高齢者の実態として放射線療法の適応と症例が多く,しかもそれが一定の効果をあげていることが推測され
進行卵巣癌(3期)における治療法と予後
雑誌掲載版初回治療を施行した3期上皮性卵巣癌患者73例の治療法と予後を検討した。初回手術に26症例で腫瘍の完全摘出が可能であった。2cm以下の残存腫瘍を認めたもの6例,2cm以上の残存腫瘍を認めたもの19例,試験開腹に終わったものが22例であった。この22例のうち9例が化学療法後の2度目の手術で腫瘍を完全摘出した。腫瘍の完全摘出が予後に改善に関与しており,その時期は初回手術に限る必要はない。漿液性嚢胞腺癌,類内膜型腺癌の場合はCAPまたはCPをレジメとするNeo adjuvant Chemotherapyにより腫瘍の完全摘出が可能となり得
当科における卵巣悪性腫瘍の臨床統計 FIGO新分類について
雑誌掲載版当科における過去20年間の卵巣癌症例をFIGO国際臨床進行期(1987年)分類にしたがって再分類し,それらの臨床成績を検討した.対象総数は252例で,平均年齢は47.7歳,5年ごとの各臨床進行期の割合は,FIGO 1985年版Annual reportに比べ,1期癌が比較的多く,多少の変動があるものの全体の比率は殆ど変らない.全症例の半数は3,4期の進行癌で占められている.1a期39例の5年生存率は82.0%,1b期4例のそれは75%であった.1c期24例は62.5%であった.3a期が50.0%,3b期が25.0%,3c期17.1%,4期14例は0%である.すなわち3a,3b,3c期の間には有意差が認められた.また生存率の推移からみると1期の場合と異なり,治療後から3年までに徐々に低下するものの,その後の変化は少ないことが特徴となっている.4期では生存率は2年までに急激な低下を示した.他の因子に関係なく,一定の進行期ではその進行期ゆえの治療成績のパターンあるいは限界の存在している可能性を示してい
当院における子宮体癌I期の再発症例の検討
雑誌掲載版子宮体癌I期の192症例を対象とし,その再発例について調査した.再発は12例(6.3%)に認められ,Ia期から2例,Ib期から3例,Ic期から7例であった.Ia期の2例は漿液性腺癌であった.その他Ic期に癌肉腫が1例あった他は,全て類内膜腺癌であった.再発部位は腟断端部1例,腹腔内7例,傍大動脈リンパ節2例で,肺が4例であった(重複をふくむ).再発迄の期間は術後4〜55ヵ月で,1年未満が6例であった.再発症例の予後は,2例を除いて全て再発後2年以内に腫瘍死してい