26 research outputs found

    B群溶連菌が検出された劇症型壊死性筋膜炎の1例

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    雑誌掲載版60歳,男.約40年の飲酒歴があり,非代償性アルコール性肝硬変,糖尿病で内科入院中.初診の前日,左前腕の疼痛を訴え,翌日には暗赤色の紅斑が出現した.紅斑は急速に拡大,左前腕から上腕伸側にかけて広範な組織壊死に進展.白血球数,CRPの著明な上昇を認め,ただちに抗生物質,γ-グロブリンの投与と同部位のデブリドマンを施行したが,多臓器不全により死亡した.左上肢壊死部の皮膚,筋膜,筋,滲出液の組織培養及び血液培養から,B群溶連菌と未同定のグラム陰性桿菌が検出された.基礎疾患を有する患者では,初発皮膚症状が軽微でも自験のように極めて急速な経過をたどることがあり,注意が必要であ

    著明な壊死巣をともなった皮下型サルコイドーシス

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    雑誌掲載版39歳女.左腰部の自覚症状のない皮下結節を主訴とした.1998年,両眼ぶどう膜炎を発症し,BHLもあり,1989年にサルコイドーシスと診断された.1995年,心サルコイドーシスの診断でプレドニゾロンが開始された.初診時,左腰部に拇指頭大の淡褐色斑があり,直下に直径1.2cmの硬結を触れた.病理組織学的所見で,皮下脂肪織内に典型的サルコイド結節と,巨大な乾酪様壊死巣を有する類上皮細胞肉芽腫を認めた.よって皮膚サルコイドーシスの皮下型と診断し,皮下結節を外科的に摘除した.その後,新たな結節の再発はない.サルコイドーシスの類上皮細胞肉芽腫は,通常壊死がないとされるが,近年壊死を伴う症例報告が散見する.旭川医科大学皮膚科教室とその関連施設では,過去7年間に皮膚サルコイドーシスと診断された36検体中,自験例を含む6例,17%に乾酪壊死を確認しており,壊死は必ずしも稀ではないことが示唆され

    10年後皮膚転移を認めた平滑筋肉腫の1例

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    出版社版73歳男.右上背部の結節が徐々に増大した.病理組織学的に平滑筋肉腫と診断され,拡大切除,放射線療法及び化学療法(CYVADIC療法)を受け,再発,転移はなく経過していた.しかし,その後左肘に結節が出現,徐々に増大し,病理組織学的所見,免疫組織化学的所見が前回切除した背部の病理組織像とほぼ同様であったことから,平滑筋肉腫の皮膚転移と診断した.筋膜を含めて切除し,分層植皮術を施行し,その後経過観察しているが,術後1年10ヵ月で再発,転移はな
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