24 research outputs found

    1989年ロマ・プリータ地震の震度分布

    Get PDF
    1989年10月17日午後5時4分(現地時間)に発生したロマ・プリータ地震(M7.1)は、サンフランシスコの南東約110kmのサンアンドレアス断層上を震度として発生した。断層の長さは約40kmで、震度の深さ約18kmとされ、断層上で右横ずれ1.7m, 縦ずれ1.3mの断層運動が確認された。震度近傍地域の市街地の建築構造物の被害はもとより、震源より約100km程度離れた近代的な都市であるサンフランシスコ市やオークランド市において海岸部の埋立地を中心に大きな被害が発生し、特にベイブリッジや高架橋構造の高速道路の崩壊による多くの死傷者やライフライン系の被害など典型的な都市型の被害が生じた市民生活に大きな影響を及ぼした。この地震による人的被害は死者62人、負傷者約3800人であった。また、倒壊建物を含む被災建物数は約3万棟で被害総額は約59億ドルと報告されている。本地震の震度分布は震源近傍の地域において修正メルカリ震度階で震度8(気象庁震度階6程度)、サンフランスコ市やオークランド市においては同震度7(同5程度)であるが、同地域内において局所的に同震度9(同7程度)の大きな震度分布を示す地域があり、大被害地域となっている。一方、地震動の強震計観測記録はUSGS(米国地質調査所)とCDMG(カリフォルニア鉱山局)が設置した観測網により多数の地点で貴重な記録が観測されている。震源近傍の地域では、地盤上の水平動成分の最大加速度値が0.64g(Corralitos)、0.54g(Capitola) と大きな値を示し、上下動成分も0.5~0.6g の値を記録している。またオークランド市周辺地域で0.26g(Emeryville)、サンフランシスコ市周辺で0.24g(Golden Gate Bridge)、0.33g(San Francisco Intl. Airport) と報告されている。しかしながら、これらの資料だけからではサンフランシスコ市やオークランド市の市内における地域的に細かな震度分布を評価することは難しい。米国では、USGSが中心となって、地震の多発するカリフォルニア州のサンフンドレアズ断層に沿う地域、特にサンフランスシコ湾岸地域を対象として、同断層および平行して走るヘイワード断層上に発生する大地震を想定した震度分布予測のためのゾーニングマップが作成されている。これは、地震断層・地質地形・地盤などを考慮して作成されたものであり、特に今回のロマ・プリータ地震でのサンフランシスコ市やオークランド市における被害発生地域は、上記のゾーニングマップにおいて、震度が相対的に高いと予測されていた地域と符合しているように思われる。本報告では、特に大都市であるサンフランシスコ市においてサイスミックマイクロゾーニングの観点から、アンケートによるミクロな震度分布調査を行い、すでにUSGSにおいて作成されている既往の地盤分類に基づいたマイクロゾーニングマップとの対応について検討を行った。その結果、サンフランシスコ市におけるUSGS による震度分布は、一部の大被害発生地域の震度を除いてMM 震度で7~6 程度であったのに対して、地域的に詳しい震度分布のコンターが得られ、表層地盤の性質に対応していることが明かとなった

    フィリピン・ルソン島地震の高密度震度分布調査

    Get PDF
    1990年7月16日午後4時26分(現地時間)にフィリピン・ルソン島の中央部に発生したフィリピン地震(M= 7.8) は,内陸部に発生した最大級の地震であり,延長約120km,水平平均ずれ量約5.0mに及ぶ左横ずれ断層が出現した。震度地は,首都マニラの北北東約110kmのDigdig断層上で,震度の深さは約25kmとされている。本地震において,多数の建物が被災し約2000名の死者と3500名の負傷者が発生し,全壊建物約22000棟,被災者約160万人に及び被害が発生した。この地震による被害は,地震断層に沿った広範囲の地域に発生したが,被害が比較的集中的に発生した地域は,震央近傍の地域より,むしろ上記地震断層の北西方向の末端部の西側に位置している地域に多数の被害建物が認められた。また,Lingayen湾に面した沿岸地域の沖積軟弱地盤地帯においては,顕著な液状化現象が発生し,多数の構造物に被害が認められた。しかし,残念ながら本地震の被災地域における強震観測記録は得られていない。本研究の目的は,アンケートによる震度推定法を用いて本地震の震源域を中心とする広い範囲の地域における震度(MM震度)を可能な限り高密度に推定し,強震記録に代わる情報のひとつとして各地の地震動の強さとその分布状況を推定することである。また,被害地域といえども,ごく狭い地域でさえ被害程度に大きな差を生じることは過去の地震において確認され,今回の地震においてもまた同様の傾向がみられた。そこで,可能な限り高密度の震度分布を推定し,被害分布などともにいわゆるサイミックマイクロゾーニングマップを作成することを最終的な目的としている。本報告は,これまでに分析ができた各地の震度分布の結果を示したのである。その結果,調査地域内の主要都市の推定震度では, La Union 州のAgoo町が最も大きく平均震度(MM震度)で10.7となり,次いでAringay町で9.8,Baguio市で8.8となるO 以下,Dagupan市で8.7,Cabanatuan市で7.8,San Carlos市で7.7,首都Manilaの北側に隣接するQuezon市で6.5と推定された。また,各州や主要都市における震度分布も明かとなっている。本調査により,1990年フィリピン地震の震源域における震度分布がほぼ明かとなり,震度分布は被害分布とよく対応し,地震動の強さを推測する上で重要な情報を提供するものと考えられる

    10 21054Study on Seismic Disaster Risk Evaluation in Caracas,Venezuela -Part2. Summary of natural period of buildings evaluated by microtremor measurements-

    No full text
    平成11年~平成12年科学研究費補助金 基盤研究(B)(2)研究成果報告書(課題番号:11694178

    12 Fundamental Characteristics of Building Dynamics in Caracas Obtained from Microtremor Measurements

    No full text
    平成11年~平成12年科学研究費補助金 基盤研究(B)(2)研究成果報告書(課題番号:11694178

    13 Natural periods of buildings estimated from microtremor measurements,used for seismic disaster risk evaluation in Caracas,Venezuela

    No full text
    平成11年~平成12年科学研究費補助金 基盤研究(B)(2)研究成果報告書(課題番号:11694178
    corecore