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子どもの入院に付き添う親の負担の現状と家族支援の方向性
子どもの入院に家族が付き添う場合は多く,その家族に対する看護の必要性は,家族看護実践の課題のひとつである.子どもの入院に付き添う家族ついての研究は,親の思い,付き添い環境の実態について述べられているものは多数あるが,その負担を系統的に分類したものはみられない.本研究の目的は,子どもの入院に付き添う親はどのような負担を感じているかを整理し,現状を明らかにすることである.さらに得られた知見から,具体的な家族支援について検討する.医中誌Webのデータベースを用いた文献検索を実施した.「入院」「小児」「家族」「付き添い」「親」「負担」の用語を用いて論理積で検索を行った.結果,17本の文献が該当した.家族が実際感じている負担の内容を分析するために,対象者が家族ではないものなどを除外し,最終的に該当した論文13本を分析対象とした.対象文献をベレルソンの手法を用いて内容分析を実施した.対象文献より,子どもの入院に伴う負担に関する不安や苦痛,希望が表現された文脈を抽出してデータ化し,文脈単位とした.文献より,子どもの入院に付き添う親の負担について述べられた文脈を抽出した結果,163文脈単位が抽出された.それらをサブカテゴリ(記録単位)化し,それぞれ類似した内容ごとにまとめ,【子どもの療養環境への不満】【子どもが療養生活環境にいることに伴う親の身体的苦痛】【家庭,他の家族員に関する心配,苦痛】【看護職者への不満】【子どもが療養生活環境にいることに伴う親の精神的苦痛】【入院そのものに対する不安】【子どもの病気に対する不安】【看護職者以外の医療従事者に対する不満】【経済的な負担】【社会的活動に対する不安】という10のカテゴリが形成された.最も多かったのは【子どもの療養生活環境への不満】のカテゴリで全体の32%を占めた.次に多かったものが,【子どもが療養生活環境にいることに伴う身体的苦痛】のカテゴリで17%を占めていた.子どもの入院時,付き添う家族の基本的欲求が制限されており,看護職として積極的に看護介入していく必要性が考えられた.特に,負担として多く挙がっていた付き添い環境,付き添いに伴う家族の精神的負担,子どもの病気の受容などの負担に対して,看護職は親がこのような負担をもちながら付き添う現状を理解し,早急な改善を目指す必要があるだろう.また,治療に関する説明だけではなく話の傾聴や親の頑張りを認めるような関わりが必要であることが考えられた
ニンチショウ コウレイシャ ニ カンゴガクセイ ガ イダイタ カンジョウ
本研究の目的は, 臨地実習で認知症高齢者を受け持った看護学生がどのような感情を抱いたのかを明らかにすることである. そして, 認知症高齢者を受け持つ看護学生の指導や支援の一示唆を得ることである. 8名の看護学生に対して臨地実習で認知症高齢者を受け持った際に感じたことについてインタビューし, KJ法を用い分析した. その結果, 【予期しない言動にびっくりする】【思いが通じなく, もどかしい】【受け入れてもらえて嬉しい】【一緒にいることが楽しい】【ケアのポイントに気付けて, 充実感がある】【認知症高齢者は可哀想】の6カテゴリーが抽出された. 認知症高齢者に攻撃的発言や拒否反応を示され, 困惑しながら看護学生は感情のコントロールをしていた. そのような学生には, まず感情を表出・認知させるような関わりが教員には求められる. そして感情が生じた根源や, 高齢者の心身の状態について学生と共に考える時間を持つことが必要であると考えた.The purpose of this study is to examine nursing students\u27 emotional feelings toward elderly persons with dementia and to discover how they change through clinical practice. Eventually it is hoped that the faculty can find some suggestions helpful in guiding and supporting nursing students assigned to care for elderly persons with dementia. Eight nursing students were interviewed and asked to describe how they had felt about elderly persons with dementia during their clinical practice. Their verbatim descriptions were analyzed through the Kawakita Jiro method (a.k.a. the affinity diagram method) and classified into the following six categories; "be surprised by unexpected behaviors", "feel frustrated when unable to communicate", "feel happy when accepted", "enjoy being together", "have a sense of fulfillment through learning the key to providing care" and "feel pity for elderly persons with dementia". The nursing students were trying to control their emotional feelings while perplexed by offensive remarks and refusals of elderly persons with dementia. They need to be supported by the faculty so that they can recognize and express their own emotional feelings. In addition, the faculty should have an opportunity for sharing the students\u27 reflection upon the source of their emotional feelings and the content of care