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看護学生の自覚的精神身体状況把握の試み-ベースラインとしての入学時の様相
本研究の目的は、看護学専攻大学生の心身状態の経年変化を捉えるために彼らのベースラインを収集することである。 2009年4月に看護学部看護学科へ入学した新入生60名に対し、1 )University Personality Inventory(UPI)、2)The Autism-Spectrum Quotient(AQ)日本版、3)The ADHD rating scale-IVの日本成人用を学生版に修正したもの(ADHD RS-IV-AC)で構成される Physical Mental Questionnaires(PMQ)を使用し、心身の状態、コミュニケーションや周囲からの社会的なサインの読み取りの状態、実行機能不全の自覚についてセルフ・レポートを求めた結果、59名(98.3%)より有効回答が得られた。今回の新入生たちは、明るい気持ちで過ごしながらも、深刻な心配は少ないが、漠然と不安で、どちらかといえばコミュニケーションや周囲からの社会的なサインの読み取りが得意な傾向をもつ集団、そして何人かの偏差の大きい者を含んだ集団であることが示唆された。 当該新入生の学年進行時や実習終了時に実施する追跡調査と、本調査によって得られたベースラインとの比較を行なうことにより、看護学を専攻する大学生の心身状態の変化を検討する資料が得られるとともに今後の教育支援に役立てられる可能性が期待される