証明責務の構造に基づくEvent-Bモデルの設計および証明支援手法

形式手法Event-B では，証明対象の仕様をモデル記述し，モデルから作成される証明責務を証明することで仕様の正しさを示せる．しかし記述したモデルに矛盾や不備がある場合は，証明責務を証明できない．その場合，その証明責務を満たすようにモデルを修正する．しかし，モデルを修正することにより，既に実施済みの証明が無効化され，証明の手戻りが発生する可能性がある．本研究では，上記証明の手戻りを防止可能なモデル修正手法を提案する．さらに，提案手法の適用可能性および有効性を確認するため，ファイル転送プロトコルを対象とする適用例とその評価結果を示す．また，上記提案手法の前提となるモデル全体像を策定する工程に対しても，分割戦略木と呼ぶ記法に基づく手法を整備する．電気通信大学201