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    長期的視座に基づく製品サービスシステム設計方法論

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    近年,製造業では,単に製品を販売するのではなく,製品とサービスを高度に統合して提供することにより,これまで以上の高い価値を創出する製品サービスシステム(PSS: Product-Service System)が注目を集めている.PSSの実現においては,製品やサービスを対価と交換することで生まれる「交換価値」よりも,受給者が製品やサービス,あるいはそのアウトプットを使用するコンテキストの中で知覚する「文脈価値」を高めることが重視される.ここで,コンテキストは静的ではなく,動的に変化することから,その影響を受けて受給者が知覚する価値もまた変化する.PSSの好事例には,このようなコンテキストの変化に対応し,適切な価値を創出できるようにPSSの構造を変化させてきた事例が見受けられる.一方で,このような事例におけるPSSの構造変化は,必ずしも計画的に実行されたものではなく,高い価値を持続的に実現できるか否かは「偶然」や「経験と勘」に過度に依存している.このことは,PSSの構造変化を事前に設計するための体系的なアプローチが存在しないことに起因する.高い価値を持続的かつ計画的に実現するためには,長期的視座のもとPSSの構造変化を設計するための方法論が求められる.本研究は,上記課題を解決し「長期的な視座のもと高い価値を持続的に実現するPSSの構造変化を設計するための方法論を構築する」ことを目的とするものである.これを達成するために,本論文では,以下の3点について,具体的な提案を行う.(1)コンテキストを中心としてPSSの構造変化に関わる概念や概念問の関係を形式化するモデル (2)PSSの構造変化を設計対象として表現・可視化するための設計対象モデリング手法 (3)高い価値を持続的に実現するためのPSSの構造変化を設計するプロセス 本論文では,以上により構築した方法論を用いた設計の実行例を2つ示す.そして,その結果や過程を評価し,本方法論の有効性や課題を明らかにする.首都大学東京, 2016-03-25, 博士(工学)首都大学東
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