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    On-Off入力を用いた宇宙機の非線形姿勢制御へのMPCの適用に関する研究

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     本研究では宇宙機の非線形運動とアクチュエータが持つ非線形オンオフ特性を考慮した閉ループの最適化安定化の問題を考える.そしてこの問題の解法として入力拘束を陽に考慮することのできるモデル予測制御(MPC) を用いる.MCP を用いた宇宙機の姿勢制御に関する研究はこれまでにも行われているが,アクチュエータとモデルの非線形性を同時に考慮したMPC の実用的な議論はなされていない.これらを用いる上での課題として,非線形性を含めた安定性,量子化入力による最適化,計算負荷の低減などがある. 1 章では本稿の背景・目的を,2 章で基礎的な安定性の性質についてまとめ本研究における問題設定を述べる.3 章では基本的なレギュレーション問題について上記の問題を解決できることを述べ,シミュレーションにより数値検証を行う.はじめにモデルと入力の非線形性を考慮した閉ループの安定条件を導出する.この安定条件は線形行列不等式(LMI) で与えられ,凸可解問題として容易に計算することが可能となる.数値シミュレーションでは複数のスラスタで構成されるリアクションコントロールシステム(RCS:reaction control system) のみを用いた制御を考える.アルゴリズムとしては分枝限定法を用いたオンオフ入力による非線形MPC の最適化を行う.これによって閉ループ系はISS とはなるが漸近安定にはならないこと,RCS とリアクションホイール(RW:reaction wheel) を併用して漸近安定化が可能であることを示す. 4 章では,これを拡張して,宇宙機が与えられた軌道を追従するトラッキング問題を考える.このとき,宇宙機の運動は目標軌道との誤差モデルとして記述することが可能である.この誤差モデルは非線形時変モデルとなるが,目標軌道回りで線形化を施せばLPV モデルとして記述することが可能である.ここでは,LPVモデルを設計に用いた最適化法と安定条件を求める.そして,こうして得られたトラッキング制御則をRCS で実装するためにパルス幅変調(PWM:pulse width modulation) を適用し,オンオフ入力による閉ループの安定性について議論する. 5 章は本論文のまとめであり,非線形性を考慮した宇宙機の姿勢制御問題についてのまとめと今後の展望について記述する.電気通信大学201
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