1 research outputs found

    KKse -包丁調理における児童の安全教育システム-

    Get PDF
     本研究では,小学校低学年児童を対象に,包丁調理の安全教育システム,KKse(Kitchen Knife Safety Educator)を提案した.料理の初心者にとって安全の確保と安全に調理を行うための技能の習得は,最初に重要である.包丁調理は,安全の確保が必要な調理であるにもかかわらず,実体験を伴わず,安全に包丁調理を行うための技能を伝達することが難しい.何故ならば,包丁調理においては力加減など,言葉では伝達の難しい情報を扱う必要があるためである. そこで,児童の安全が確保されたまま,体感的に包丁調理の危険行動を学習可能な KKse システムを提案した.具体的には安全な包丁調理方法として,押し出し切りと食材を安定して支える方法の 2 つを教示する.視覚的には認識できない,ユーザの包丁動作を包丁の刃先と食材との接触面圧力,また食材底面の圧力値変化を取得し分析することで明らかにした. さらに,安全かつ直感的な学習を可能にするために,ユーザ動作の正誤に応じて,包丁で食材に切り込んだ時の触覚フィードバックを再現する,糸鋸型の包丁型デバイスを提案した.糸の張力を調整することで,包丁で食材を切る時の反力を提示することの出来る道具型デバイスは新しく今後安全調理学習以外にも,技術伝承やユーザインタフェース開発など様々な場面での応用が期待される.実験を通して提案システムの学習効果を検討したところ,児童は,KKse を通して,押し出し切りの体の動きを習得することが可能であることがわかった.しかし,現行のシステムでは,力加減のモデル化ができていないため,正しい力加減までは伝達できていない.これは今後改良の必要がある.さらに,食材の安定性を計測するデバイスについては,ユーザに対する実験を実施できていない.今後,実験を実施し,その効果と課題点を明らかにしていく必要がある. 今後はこれらの点について改善に努める.電気通信大学201
    corecore