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    帯域分割多偏波CCDに基づく目標高度変化量推定法

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    合成開口レーダ(SAR:Synthetic Aperture Radar)はアンテナから電波を照射し,地表面の散乱係数分布を高分解能に画像化するセンサシステムである.SAR 画像は昼夜・天候を問わず取得可能であり,複素画像であるため位相情報を有する.同位相情報を用いた地表の変化検出技術としてCCD(Coherent Change Detection)がある.CCD は観測時期の異なる2 枚のSAR 画像間の経時変化を局所的な相互相関によって検出する手法で,波長よりも小さい変化を検出することが可能である.また,複数の偏波を用いて観測する多偏波SAR(Polarimetric SAR)が近年注目されている.PolSAR 画像は単一偏波では得られない目標の形状・構造に関する情報を含んでおり,目標分類・認識に有用である.更に多偏波SAR 画像をCCD に導入する研究が報告されている.代表的な解析手法として,正準相関分析に基づく変化検出法が提案されている.一般にクロス偏波は受信強度が小さく,雑音の影響を受けやすい.このため,偏波強度に関わらず,多偏波SAR 画像を解析する同手法では,強度が比較的小さい偏波データの結果に対して特性が大きく依存する.同問題を解決するため,本論文ではPolSAR 画像のパウリ分解とSNR による重み付合成に基づく変化検出指標を提案する.X バンドレーダの1/100 スケールモデル実験データによる性能評価により,従来の手法よりも提案法が検出性能に優れることを示す.一方,災害時の被害状況の把握や迅速な救助活動には,緊急車両の経路選択のために,路面の変化量の情報が必要である.そのため,変化検出と同時に高度変化量推定を行うことが求められる.これに対し,CCD モデルにおける高度変化量推定法が提案されている.同手法は,受信信号の周波数帯域を分割してコヒーレンス関数を計算し,高度変化量推定におけるアンビギュイティの除去と高精度な高度変化推定を同時に実現している.本論文では,同手法を多偏波SAR 画像に拡張した高度変化量推定法を提案する.パウリ分解を導入し,支配的な散乱成分を抽出することで,より高精度な高度変化量推定を実現する.X バンドレーダの1/100 スケールモデル実験データによって,提案法の有効性を示す.電気通信大学201

    高度推定に基づく円形軌道合成開口レーダ画像のレイオーバ歪み補償法

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     合成開口レーダ(SAR: Synthetic Aperture Radar)は,アンテナを衛星・航空機に搭載し,地表面を撮像するリモートセンサシステムである.電波を用いた観測により,昼夜・天候を問わず地表目標の撮像を可能にする.また,低周波数のマイクロ波を用いることにより森林内部や砂中の撮像を可能にする.このような利点から,SARは光学計測装置では観測できない目標を画像化するシステムとして有用である.しかしながら,光学計測装置と比較して分解能が低いため,これを高める様々な手法が開発されている.その一つとしてSARを応用した円形軌道合成開口レーダ(CSAR:Circular SAR)が有力な手法として注目されている.これは,通常用いられる直線軌道SARと異なり,目標を中心とした円型軌道で観測を行う.これにより,SAR画像と比較して高分解能な画像再生を実現する.しかし,CSARでは円形軌道内の中心軸位置外の目標を撮像した場合に画像の歪みを伴う.これはCSAR画像特有の歪み現象であり,目標に対する入射角が観測中に変化することにより引き起こされる.本論文ではこれをCSAR画像のレイオーバ歪みと呼ぶ.レイオーバ歪みを小さくするためには,できるだけ目標が円形軌道の中心に位置するように観測軌道を設定することが望ましい.しかし,実際には種々の制約により,そのような軌道を選択できない場合が考えられる.例えば,観測軌道上に雷雲がある場合や,法的な理由から航行が禁止されている空域がある場合が考えられる.円形軌道内の目標位置に依存する歪み(レイオーバ歪み)の小さいCSAR画像を再生するため,これを補償する手法の開発が期待されている. 本論文では,まずCSAR画像のレイオーバ歪みのメカニズムを解析し,その結果を踏まえて,高度推定に基づくCSAR画像のレイオーバ歪み補償(LDC:Layover Distortion Compensation)法を提案する.具体的なアルゴリズムはレイオーバの補償方法により複数考えられる.本論文では,投影面移動による方法(LDC法)と画像移動による方法(高速LDC法)を提案する.数値計算と1/200スケールXバンドレーダ観測で取得した実験データに基づき提案法の補償効果を評価する.電気通信大学201
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