2023年・2024年の地域別最低賃金の審議について

Abstract

2023年は、地域別最低賃金の審議に関する転機であったかもしれない。2023年には、最低賃金の低い県が、中央最低賃金審議会が設定した引上げ目安(39-41円)を大きく上回る引上げ(上乗せの最大額は佐賀の8円)の答申を行ない、最低賃金が低い県での引き上げ額は、最低賃金が高い都府県の引き上げ額を上回った。2024年には、やはり最低賃金の低い県がより大幅な引き上げ答申を行ない、徳島県の引き上げ額は84円となり、目安であった50円を34円も上回った。本稿では、2024年の最低賃金の引上げの上乗せ額について、それが答申日、都道府県のランク、過去の上乗せの累計額とどのように関連しているかを検討した。その結果、2023年と、2024年の徳島を除くサンプルでは、(1)答申が遅い時点で行われた地域ほど引き上げ額が高くなり、答申日が1日遅いと0.14円引き上げ額が高くなった、(2)高い引き上げ額は、最低賃金の低い地域(新ランクC、旧ランクDの県)に集中していた、ことが確認された。2024年については徳島県1県を含めた推計と含めない推計とでは、係数が大きく変わる。2023年・2024年の審議では、「答申のタイミング」が注目を集めたが、発効日が遅くなる影響を時給換算で評価すると、2024年の徳島の34円の上乗せは、発効日が4週間程度遅れたことを考慮すると、実質的に26.7円の上乗せに相当することを示した。さらに2024年を中心に、いくつかの県で県知事が最低賃金の地方審議に関して意見を述べた状況や、そのことと公労使による審議の枠組みとの整合性を検討した

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Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers

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Last time updated on 03/09/2025

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