Estimation of Output Gap Using Real-Time Data: Comparison with State Space Model and Cobb-Douglas Production Function

Abstract

本研究の目的は,リアルタイムデータを使用して状態空間の5 つのモデルとコブ・ダグラス型の生産関数(以下,生産関数)によるGDP ギャップを比較し,どの推定方法で改定が小さく済むかについて比較検討することである.GDPギャップの推定方法にはさまざまな方法があり,決定的な推計方法が存在しないが,代表的なものとしては生産関数による方法が挙げられる.この方法で,内閣府がGDP の1 次速報や2 次速報を公表してから,「今週の指標」で需給ギャップ(GDP ギャップ)の値を基本的に毎期公表している.この指標はGDP の改定を受け,事後的に改定される.例えば,コロナショックでGDP 成長率が大きくマイナス成長になった令和2(2020)年4-6 月期のGDP ギャップの値は,1 次速報後で公表はなく,2 次速報後で-10.2%であったが,令和6(2024)年7-9月期の2 次速報後で-9.0%と,1.2%の上方改定になっており,この改定は大きいと考えられる.杉本(2024)では,GDP ギャップの推定方法のうち,ハミルトンフィルターとHP フィルターを比較検討したが,今回は状態空間モデルと生産関数を比較検討する.状態空間モデルとしては,Orphanides and Norden(2002)のWatson,Harvey-Clark,Kuttner,Gerlach-Smetsの4つのモデル及びBarbarino et a(l. 2020)のUC(GDP/u./π)モデルを検討し,従来の生産関数(筆者推計及び内閣府)と比較検討した.データについては,東京財団政策研究所の近年のリアルタイムデータを使用し,平成14(2002)年1-3 月期(1 次速報)から令和6(2024)年7-9 月期(2 次速報)までで利用可能なリアルタイムデータを再現した.ファイナルデータ(最新値)については,令和6(2024)年7-9 月期(2 次速報)で得られたデータであり,同年12 月末時点で利用可能なデータとした.内閣府の生産関数については,「今週の指標」で遡れる平成23(2011)年4-6 月期(1 次速報)から令和6(2024)年7-9 月期(2 次速報)までを対象とした.また,データの始期については,平成6(1994)年1-3 月期に統一させた.その結果,従来の生産関数を使用するのではなく,状態空間モデルで推計すると,改定が小さくなった.ただし,インフレ率や失業率を盛り込んだUC(GDP/u./π)モデルになると,より改定が小さいと見込んだが,改定は小さくならず,Watson などの4 つのモデルより優れているとはいえなかった.改定には,GDPデータなどが改定されることによる改定とデータが追加されることによる逐次改定の2 つに分類すると,生産関数は前者での改定が大きい一方で,後者の改定は小さかった.さらに,GDP データの改定は小さく,GDP 以外の改定(資本や労働関連の指標)の改定が大きいと考察する.departmental bulletin pape

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Last time updated on 02/08/2025

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