Epigenetic modification effects on liquid-liquid phase separation of G-quadruplex-forming nucleic acids

Abstract

甲南大学博士(理工学)令和6年度(2024年度)核酸や核酸結合タンパク質が関与する液液相分離は、セントラルドグマの様々な段階で遺伝子発現を制御する。そのため、生体分子の液液相分離の分子機構を明らかにすることは、生命現象の理解の深化につながる。興味深いことに、タンパク質の翻訳後修飾は液液相分離能を変化させることが明らかになりつつある。タンパク質の翻訳後修飾と同様に、DNAやRNAの化学修飾もエピジェネティックな遺伝子発現制御において重要である。特に、代表的なエピジェネティック修飾であるDNAシトシンのメチル化(mC)は、遺伝子発現を調節することで細胞の発生や分化に関与している。しかし、mCがDNAの液液相分離に及ぼす影響は明らかではない。 そこで本研究では、DNA二重らせん構造に対するmCの効果を検討した。その結果、mCによって二重らせん構造の熱力学的安定性が増大することが分かった。また、その安定化はエントロピー駆動であり、電子供与性をもつメチル基の塩基対間のスタッキング相互作用を増大させることが示唆された。さらに、細胞の分子クラウディング環境下でmCの効果を検討したところ、二重らせん構造の安定性に対するmCと分子クラウディングの効果が相加的であることが明らかとなった。 次に、mCによる液液相分離への影響を明らかにするために、液液相分離のモデルシステムを構築することを試みた。その結果、四重らせん構造を形成する神経変性疾患由来のmRNAと、これに結合するFMRPの結合ドメイン(RGGドメイン)を模倣したモデルペプチドが液液相分離を誘起することが明らかとなった。さらに核酸の塩基配列や実験条件の系統的な検討から、RNA・DNAにかかわらず四重らせん構造が液液相分離の誘起に必須であることも示された。最後に、構築した液液相分離モデルシステムを用いて、四重らせん構造を形成するDNA鎖に含まれるmCが液液相分離に及ぼす効果を検討した。その結果、mCがグアニン四重らせん構造の液液相分離を抑制することが見出された。その分子機構について検討したところ、mCがグアニン四重らせん構造をパラレル型からアンチパラレル型へと遷移させることが示された。また、パラレル型四重らせん構造は液液相分離を誘起するが、アンチパラレル型四重らせん構造は液液相分離を誘起する能力が低いことも分かった。これらの結果から、mCはDNAの四重らせん構造をアンチパラレル型へと遷移させることで、液液相分離を抑制することが明らかとなった。以上のように本研究では、代表的なエピジェネティック修飾であるmCがDNA四重らせん構造の液液相分離に及ぼす効果を明らかにし、その分子機構を解明した

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This paper was published in Konan University Repository.

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