On Ainu Possessive Constructions : From the Perspective of Subjectivity

Abstract

本稿では,アイヌ語における所有表現とそれに伴う主観性の関係を考察した。先行研究においては,主に英語と日本語の対照研究が盛んに行われてきたが,それ以外の言語を対象とした研究が少ない。本研究はアイヌ語を対象とし,その特異な所有表現の特徴を明らかにすることを目的とした。池上(1985,2011 など)による主観性の理論を基に,英語と日本語の主観性の相違を明確にし,アイヌ語における所有の指標を比較した。アイヌ語は,日本語と類似したSOV語順があるものの,異なる言語であり,独特な文法構造を持つ。アイヌ語の叙述所有表現と限定所有表現にはいくつかの構文が見られる。叙述所有は主に「kor」と「an」の動詞によって表され,限定所有は主要部標示型,従属部標示型,無標示型,二重標示型に分類できる。アイヌ語における所有表現の構造を詳細に記述し,主観性との関連性を考察することで,所有表現の類型の再考を提案した。所有表現の分析で,アイヌ語で明確に言語化される譲渡不可能性を主観性の指標の一つとして指摘した。また,譲渡不可能名詞の所有者に対しては,前景化(英語またはアイヌ語)と背景化(日本語)という二つの取扱いが存在し,所有表現に影響を与えることを示した

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Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers

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Last time updated on 13/03/2025

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