Purification of 3-pyridinol from coffee silver-skin and effect on melanogenesis

Abstract

コーヒーシルバースキンはコーヒー生豆を覆う薄皮であり，焙煎過程で生じる主要な副産物である。しかし，有効な利用方法が確立されておらず，コーヒー豆店などでは廃棄物として大量に処分されている。一方，3-ピリジノールはコーヒー豆の焙煎により生成する化合物であり，抗酸化作用や肝臓保護作用などの機能が報告されている。3-ピリジノールはコーヒー豆中だけでなく，コーヒーシルバースキンにも多く含有しており，単離・精製することができれば有効な廃棄物利用となる。本研究では，まず3-ピリジノールの定量的なHPLC 分析法を確立し，コーヒーシルバースキン中に含有する3-ピリジノールの含量を調べた。次に，シルバースキンから3-ピリジノールを単離する手法を開発した。最後に，3-ピリジノールがメラニン産生に及ぼす影響を調べるためにマウスB16メラノーマ細胞，ヒトHMV-Ⅱメラノーマ細胞および正常ヒト皮膚メラノモデルを用いて検討した。その結果，シルバースキンから単離した3-ピリジノールは動物細胞においてメラノサイトを活発化し，メラニン産生を促進する効果が認められた。これらのことから，3-ピリジノールは新たな白斑改善剤や白髪予防剤，日焼け促進剤，そして有効な廃物利用に繋がることが期待される。【査読あり】departmental bulletin pape