Tm³⁺:YLFレーザー励起Cr²⁺:ZnSeレーザーの開発

Abstract

Cr^(2+):ZnSe[1]は、波長1.9~3.4μmと非常に広帯域な蛍光スペクトルを有しており、室温動作可能、低発振閾値、機械的安定性などに優れている。またCr^(2+:):ZnSeレーザーは、波長1μm帯レーザーと比較し、ZnGeP_2(ZGP)結晶を用いた光パラメトリック発振(OPO)[2]などによって分子の指紋領域である4~10μmへの非線形波長変換が行いやすい。こういった応用に向けて高エネルギーで短パルスなレーザーが求められているため、本研究では音響光学変調器(AOM)を用いたQスイッチTm:YLFレーザーを励起光源として、利得スイッチ法による~mJかつ~nsのCr:ZnSeレーザーの開発を目指した。本研究ではまず、AOMの挿入を考慮したTm:YLFレーザーの開発を行った。Tm:YLFは結晶長が20mmでc-cutのTm:YLFを使用し、高出力な波長792nmのファイバー結合LDで励起した。さらにそれを励起光源として、Cr:ZnSeレーザーの実験を行った。AOM挿入用Tm:YLFレーザー実験において、出力鏡の透過率が10%のとき、励起パワー28.3Wで最大出力5.15W、発振波長1926nmのレーザー発振を確認した。またこれを用いたCr:ZnSeレーザー実験においては、発振を確認したものの出力、スペクトルともに不安定であった。時間波形についても測定したところ、セルフパルシングが確認でき、さらにTm:YLFレーザーにおいても、セルフパルシングが確認できた。Tm:YLFレーザーのセルフパルシングにおいては現在考察中だが、AOMを挿入し、パルスを制御することができれば、安定した利得スイッチCr:ZnSeレーザーの開発に繋がると考えている。電気通信大学202

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