伊勢物語のかがやき――鉄心斎文庫の世界―― 第2章 描く

Abstract

例えば、思いのたけを和歌に託す登場人物や、主人公が旅する見たこともない遠い場所。『伊勢物語』の読者はどれほど興味をかきたてられたことだろうか。十一世紀初めに成立した『源氏物語』に伊勢物語絵巻の記述があり、『伊勢物語』は成立後まもなく絵画化され鑑賞されたと考えられる。しかし現存最古の遺品は鎌倉時代のもので、墨の繊細な線描を生かした白描絵巻断簡や、濃彩で描かれた装飾的な絵巻が伝わる。続く室町時代から桃山時代にかけては、場面選択や構図が共通する二つの系統の伊勢物語絵などが知られる。そして慶長十三年(一六〇八)、四十九図の絵入り豪華本「嵯峨本伊勢物語」が初めて出版という形で世に出た。以後、伊勢物語絵の享受層が大きく広がり、嵯峨本を踏襲した絵が大半を占めるようになってゆく。また、江戸時代には、俵屋宗達、尾形光琳ら琳派の絵師たちも、おおらかで気品ある伊勢物語絵の作品を多く制作した。第2章 描く・伊勢物語の絵画・資料解

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National Institute of Japanese Literature Repository / 国文学研究資料館学術情報リポジトリ

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