Magnitude-Frequency Relation for Elastic Shocks Accompanying Fractures of Various Materials and Some Related problems in Earthquakes (2nd Paper)

Abstract

地震の大きさ別頻度分布については,Gutenberg-Richterの式が成り立つこと,また,その最大振巾に関しては,石本.飯田の統計式が成立し,この両者は実質的に同一の統計関係を示すものであることが知られており,また,大きさ分布を特徴づけるGutenberg-Richterの式の常数bあるいは石本.飯田の式の指数mの値が,極浅発の火山性地震をのぞいて,多くの場合大略一定範囲内にあることが明らかにされている.しかし,最近,宮村は世界中の大きい地震について調べ,常数bの値が必らずしも一定と見るべきではなく,地体構造と関係して,系統的に変つていることを見出した.しかしながら,これまで,以上の諸結果の,とくに常数bあるいはmの値の示す物理的内容は明確にされていなかつた.そこで,前回にひきつづいて,脆性物質の破壊に伴うElastic Shocks(衝撃性弾性波)の大きさ別頻度分布を実験的に求め,これに基づいて地震の大きさ分布を支配する要因を研究した.前回得られた結論によれば,Elastic Shocksの大きさ分布を支配する重要な要素は,媒質の構造的不均一性であり,さらに外力の分布の不均一性も同様の効果を示すことから,結局,媒質内の応力分布の不均一の度合が大きいほど,mまたはbの値が大きくなる.今回は,この結論をさらに確めるために,種々の構造および応力状態についてElastic Shocksの大きさ分布とこれらの要因との関係を調べたが,その結果を要約すると次のとおりである.(1)媒質の構造および力の加え方を変えて実験した結果,多くの場合に石本・飯田の統計式が満足される.その場合,指数mは媒質の種類や力の加え方によつて,0.3から2.7まで広範囲に変わつた.ただし,明らかに石本・飯田の式を満足しない場合もある.(2)指数mが媒質の不均質度と共に大きくなることがやや定量的に確められた(実験(2)).なお,今回のすべての測定結果は,前回の結論と調和している.(3)破壊が限られた領域に継続して発生する場合,指数mが時間と共に次第に大きくなる.(4)Elastic Shocksの大きさ別頻度分布が石本・飯田の式からはずれる場合があるが,これは媒質の構造的不均-さが何らかの規則性をもつ場合である.たとえば,割れ目が規則的な網目状に分布している場合には,log n-log a関係は折線であらわされる.その折れる点は規則的構造の構造単位の大きさに関係している.一方,石本・飯田の式がよく成り立つのは,構造的不均一さが十分不規則な場合である.(5)以上の実験結果を地震の場合に適用すると,地震の大きさ分布は震源域の構造状態(乃至応力分布状態)に関係することが知られる.このような観点から,地震の大きさ分布を特徴づけるmまたはbの値が地体構造と関係して系統的に変わるとの宮村の結果もよく理解される.(6)地震の大きさ別頻度分布が石本・飯田の統計式を満足するか,あるいはどのようにはずれるかということから,震源域の構造状態を推定することができると考えられる

Similar works

Full text

thumbnail-image

UT Repository

redirect
Last time updated on 05/09/2013

This paper was published in UT Repository.

Having an issue?

Is data on this page outdated, violates copyrights or anything else? Report the problem now and we will take corresponding actions after reviewing your request.