Kobe Shinwa Women's University Academic Repository / 神戸親和女子大学学術リポジトリ

「神戸親和大学国際教育研究センター紀要」執筆要領（2022 年８月改定）１．和文原稿は、タイトル、タイトル英訳、執筆者名、要旨（400 字程度）、英文アブストラクト（150 ワード程度）、キーワード（6 個以内）、本文、注、文献で構成される。A4 判用紙を使用し、横 22 字 x 縦 42 行 x 2 段組で 15 枚程度とする。また、タイトル、執筆者名、要旨、英文アブストラクト、キーワードは 1 段組とする。総枚数には図・表・写真を含むものとする。2．欧文原稿は、タイトル、執筆者名、欧文アブストラクト（150 ワード程度）、和文要旨（400 字程度）、欧文キーワード（6 個以内）、本文、注、参考文献で構成される。A4 判用紙を使用し、行内文字数 120 字、各ページ行数 49 行で 30 枚程度とする。（Microsoft Word の場合は全角の文字数を指定するため、60 字を指定する。） 総枚数には図・表・写真を含むものとする。なお、欧文以外の外国語の文字を使用する場合もこの原則に従う。3．図表などについては以下の各項に従う。⑴　図表、写真、表、模様、デッサン等は、図１、表１など（欧文では、Fig. 1、Table. 1、Photo. 1など）のように記入し、本文原稿の欄外、もしくは本文中に挿入箇所を明記する。 ⑵　図、模様、デッサンなどは明瞭に書き、可能な限り図に寸法・縮尺などを記入すること。図版等の極端に多いものは、予算を超える分については自己負担とする場合もある。⑶　図、表、写真などは、本文に比べてなるべく少なくする。４．和文原稿での外国人の人名、地名などの固有名詞は、原則として原語とする。また初出の際、必要に応じて訳語を（　　　）で後続させる。 ５．和文原稿の参考文献や引用文献は、本文の終わりに「文献」の見出しで、著者の姓を基準にしてアルファベット順に一括して記載すること。 ６．数式、化学式などは、その上と下を 1 行ずつ空けて書くこと。 ７. 校正は、原則として、投稿者の責任において行うものとする。　  ただし、投稿者がやむを得ない事情で校正することができない場合は、投稿者は校正の方法・内容などを編集委員会に一任するものとする。 D13755-77001327-投稿要領.indd   2 2025/02/06   17:31:41

Japanese

執筆要領

芝田, 悦司

SHIBATA, Etsushi

The Latest Situation of Students Not Attending School and Support for Truancy based on the Student Guidance

堤, 康嘉

Yasuyosi TSUTSUMI

船田, 智史

Satoshi FUNADA

松本, 宗久

Munehisa MATSUMOTO

東尾, 晃世

Akiyo HIGASHIO

岩瀬, 謙一

Kenichi IWASE

柳本, 朋子

Tomoko YANAGIMOTO

－33－結び目教育の導入時期の一考察―青少年のための科学の祭典 大阪大会 2023に関する報告―A Study on the Timing of Introduction of Knot Education― Report on the Youth Science Festival 2023 in Osaka ―堤　康嘉１）　船田　智史２）　松本　宗久３）　東尾　晃世４）　岩瀬　謙一５）　柳本　朋子６）要　旨青少年のための科学の祭典大阪大会2023に，主に小学校，中学校，高等学校，大学の教員などで構成されている「結び目の数学教育研究会」から「結び目で数学してみよう」（出展代表者船田智史）を出展した。用意したモールの結び目を紙に描いてある結び目に変形をする活動や，絡み目のダイアグラムの成分の色分けの活動をした。活動を通して様々な気づきを得ることができ，数多くのデータも得られた。本論文では得られたデータから結び目教育の適切な導入時期の考察をした報告である。キーワード：結び目　教材１．はじめに青少年のための科学の祭典大阪大会2023（以下 サイエンスフェス）は，2023年で32回の開催がされている。2023年は８月19日（土），８月20日の２日間で大阪市阿倍野区の大阪大谷女子中学・高等学校で開催し，のべ約１万人が参加している活気のある大会である。出展しているブースは全てで60件あり，理科の実験の出展が多く見られた。筆者たちの出展したブース名は「結び目で数学してみよう」で，２日間でのべ280人が参加した。活動内容は４章で詳細に紹介するが二つの活動をした。一つ目は，モールで作成した結び目をこちらが用意した結び目に変形する活動と，二つ目は絡み目のダイアグラムの成分の色分けである。本論文はモールで作成した結び目の活動に着目し，活動した教材から，どの時期に結び目の教材を導入したら適切なのかを活動データから考察した。小学校４年生から立方体や直方体を学習することが空間図形としての対象となる結び目にどのような影響をもたらしているかも興味を抱いた点でもある。特に，「図形を構成する要素及びそれらの位置関係に着目し，立体図１）神戸親和大学　教育学部　教育学科　教授　　２）龍谷大学　政策学部　教授３）神戸親和大学　教育学部　教育学科　教授　　４）大阪教育大学　理数情報教育系　准教授５）大阪電気通信大学　共通教育機構　数理科学教育研究センター　准教授６）大阪教育大学　理数情報系　名誉教授D13760-77001345-堤.indd   33 2025/03/25   9:14:15－34－形の平面上での表現や構成の仕方を考察し図形の性質を見いだすとともに，日常の事象を図形の性質から捉え直すこと。」と小学校の学習指導要領の第４学年の目標及び内容にも書かれている［５］。この事からも小学校４年生からの空間図形などの認識が強まると期待ができると考えた。２．結び目の数学結び目の数学を紹介していく。一般的に結び目として考えられる結び目は次のような図2-1である。左から（１）結ばれてないひも，（２）ひとえ結び，（３）８の字結びとよばれている。数学で対象となる結び目は図2-2のような結び目を対象にしている。図2-1のひもの両端を素直につないだ輪を結び目とよんでいる。図2-2にもそれぞれ名前がついており，左から（１）自明な結び目，（２）三つ葉結び目，（３）８の字結び目とよんでいる。図2-1　　（１）結ばれてないひも　　　　（２）ひとえ結び　　　　　　（３）８の字結び図2-2　　（１）自明な結び目　　　　　（２）三つ葉結び目　　　　　　（３）８の字結び目２つの結び目が同じ（同値）であるとは，１つの結び目を切ったり，自分自身を横断したりすることなしに連続的な変形で，もう１つの結び目にできるときをいう。次の図2-3は，２つの同値な結び目の例である。図2-3D13760-77001345-堤.indd   34 2025/03/25   9:14:16－35－３．結び目の教材結び目の教材は開発され，様々な年代の授業で実践されている。岩瀬は［１］において，写真3-1の結び目を裏側から見た場合，真ん中の交点がどのように見えるかを調査している。対象は中学生以上で調査を行っており，平面に描かれた写真3-1の交点の部分を使って実施している。平面に表現した図をもとに空間図形をイメージできるかを問うものである。裏側からの交点を正解した参加者は60％程度であった。柳本は，［４］においては写真3-1を透明なカップに入れて様々な方向から結び目を見て，色々な形が見れることにより，空間認識力の調査を確かめており，小学生から中学生までが調査対象である。この調査では，結び目を教材として扱うことは子ども達に空間図形の奥行に気づかせることに対して有効であると述べられている。今回の調査では，写真3-2のようなモールを使って調査をした。写真3-1 写真3-2４．活動内容活動内容の詳細を記述する。４章で紹介する図は当日参加者が使用したものである。参加者は二つの活動もしくはどちらか一つの活動を選択し，どちらの活動からでも始めてよいことにしていた。なお，活動内容はサイエンスフェスのホームページ［２］でも閲覧できる。 モールで作成した変形の活動を紹介する（以下 活動A）。【活動A】図4-1のモールで作成した結び目を，図を見ながら変形１から変形４までの変形をする。順番は原則、変形１から始めるが途中の変形をやらなくても，変形１をやらず途中の変形から始めてもいいことにした。　　変形１．図4-1を図4-2に変形　　　　　　　　　　　　変形２．図4-2を図4-3に変形　　　 　　　　　　　　　　　　　 図4-1　　　　　図4-2　　　　　　　　　　　　　 図4-2　　　　  図4-3　　変形３．図4-2を図4-4に変形　　　　　　　　　　　　変形４．図4-2を図4-5に変形D13760-77001345-堤.indd   35 2025/03/25   9:14:16－36－　　　 　　　　　　 　　　　　　  図4-2　　　　　図4-4　　　　　　　　　　　　　図4-2　　　　　図4-5次に，絡み目のダイアグラムの成分の色分けの活動を紹介する（以下 活動B）。【活動B】いくつの輪からできているかを（予想し）色塗りして確かめる。どの輪からやっても構わないことにしている。（１）　　　　　　　　　（２）　　　　　　　　　（３）　　　　　　　　（４）　　　　　　　　　 活動の様子１　　　　　　　　　　　　　　　　　　　活動の様子２活動の様子のから分かるように，参加者のサポートのために多くの学生達（大阪教育大学，大阪電気通信大学，神戸親和大学）がボランティアで参加をしてくれた。多くの参加者に結び目の存在を知ってもらい，活動を楽しんでもらいたいことがサイエンスフェス出展の一番の目的ではあるので，ボランティアの学生達が，上手に声掛けをしていたのが印象的であった。 ５．活動の評価４章でも紹介したように活動A，活動Bをそれぞれ，次のように評価をした。また，１章でも述べたが本論文では活動Aを中心にデータをまとめている。D13760-77001345-堤.indd   36 2025/03/25   9:14:16－37－【活動A】　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 【活動B】子どもの活動の評価方法４：自分で特にスムーズにできた３：自分でできた２：助言でできた１：できなくて，ほぼ手伝ってもらってできた，あるいはあきらめた０：活動していない子どもの活動の評価方法予想した図番号と，その予想６．データからこの章では，参加人数や活動Aの辺変形などを５章の評価点数から数値化して詳細を分析してみた。6-1．活動への参加２日間でのべ280人の参加者がいた，学年ごとの詳細な人数は次の表6-1のようになった。学年 未就学児 小１ 小２ 小３ 小４ 小５ 小６人数 15人 23人 22人 39人 36人 23人 18人学年 中１ 中２ 中３ 高１ 高２ 高３ 大人人数 27人 12人 ２人 ７人 13人 ０人 43人表6-1また，表の学年における大人の区分は高校生を除く18歳以上を対象にしている。活動A，活動Bへの参加人数は次の表6-2のようになった。活動 活動A 活動B 活動A，活動Bのどちらにも参加活動A，活動Bのどちらにも不参加人数 256人 125人 102人 １人表6-26-2．活動Aからの分析活動Aのみを考察した。対象は２日間で256人である。詳細は次の表6-3である。学年 未就学児 小１ 小２ 小３ 小４ 小５ 小６人数 10人 22人 21人 37人 33人 21人 15人学年 中１ 中２ 中３ 高１ 高２ 高３ 大人人数 24人 12人 ２人 ５人 13人 ０人 41人表6-3今回は、この集団を次のように分けた。未就学児，小学校の低学年（小学校１年生，小学校２年生　以下 小低），小学校の中学年（小学校３年生，小学校４年生　以下小中），小学校のD13760-77001345-堤.indd   37 2025/03/25   9:14:16－38－高学年（小学校５年生，小学校６年生　以下小高），中学生，高校生，大人の年齢に分けて調査をした。学年それぞれの人数は次の表6-4のとおりである。年齢 未就学児 小低 小中 小高 中学 高校 大人人数 10人 43人 70人 36人 38人 18人 41人表6-46-2-1．変形による分析５章のような評価方法でそれぞれの変形１から変形４の点数を表6-5にまとめてみる。右端の列は変形１から変形４のそれぞれの平均点である。変形１ 変形２ 変形３ 変形４ ４つの変形の平均全体 2.69 1.91 2.12 0.45 1.79未就学児 1.90 0.80 0.70 0.00 0.85小低 2.56 1.51 1.53 0.21 1.46小中 2.61 1.73 2.07 0.40 1.70小高 2.78 1.94 2.19 0.61 1.88中学 2.84 2.34 2.74 0.55 2.12高校 3.00 2.17 2.61 0.67 2.11大人 2.78 2.37 2.32 0.59 2.02表6-5変形１：最初の活動であっため全体の平均点は一番高くなっている。 また，それぞれの集団においてボンフェロニー法を用いて分析したが有意差は不明であった。変形２：三葉結び目（図4-2）から８の字結び目（図2-2）に似ている結び目（図4-3）への変形は難しいようだ。ボンフェロニー法を用いて分析をすると次の結果が得られた。未就学児と中学生，大人との間にはそれぞれ有意差が認められた（p<0.05）。ねじりの動きを伴った変形は，図6-1のような，ずらすような変形よりイメージができないのではないかと推察される。図6-1変形３：全体の平均点では，変形１に次ぐ点数である。三葉結び目（図4-2）から星形 （図4-4）への変形が他の変形と比較してやや高く，実際現場で観察をしていたとき，小学校の高学年の子供たちが多くできていた印象があった。ボンフェロニー法を用いて分析をすると次のD13760-77001345-堤.indd   38 2025/03/25   9:14:16－39－結果が得られた。未就学児と小学校の中学年，小学校の高学年*，中学生*，高校生*，大人*の間はそれぞれ有意差が認められ（p*<0.01.p<0.05），小学校の低学年と中学生*，高校生，大人の間はそれぞれ有意差が認められた（p*<0.01.p<0.05）。このことから，小学校の中学年からの平面図形の教育の影響や星形を普段から見慣れていることが点数に表れたと推察される。変形４：最後の活動のため，時間が無く活度に参加をしなかった参加者も多く一番平均点も低くなった。ボンフェロニー法を用いて分析をすると次の結果が得られた。未就学児と小学校の低学年，小学校の中学年，小学校の高学年，中学生，大人の間はそれぞれ有意差が認められた（p<0.05）。6-2-2．集団による分析次にそれぞれの集団の考察を深めていく。次の表はそれぞれの集団の活動Aの変形１から変形４の平均点などが表6-6である。未就学（10） 小低（43） 小中（70） 小高（36） 中学（38） 高校（18） 大人（41）平均 0.85 1.46 1.70 1.88 2.12 2.11 2.02標準偏差 0.54 0.63 0.72 0.68 0.62 0.71 0.97最大値 1.75 3.25 3.75 3.75 3.25 3.5 3.25最小値 0.25 0.5 0.5 0.5 0.75 0.75 0.75表6-6中学生，高校生，大人にはボンフェロニー法でも有意差はそれぞれ不明であった。他の集団に対してのボンフェロニー法の結果は次のようになった。未就学児と小学校の中学年，小学校の高学年*，中学生*，高校生*，大人*の間はそれぞれ有意差が認められ（p*<0.01，p<0.05），小学校の低学年と中学生*，高校生，大人*の間はそれぞれ有意差が認められた（p*<0.01，p<0.05）。これらのデータを箱ひげ図（表6-7）で表すと次のようになる。表6-7からも読み取れるように，中学生，高校生，大人には差が無いように推測できる。また，中央値から最小値までの範囲と中央値と最大値の範囲は，小学校の低学年，中学年それぞれでは中央値から最大値の範囲が大きく，小学校の高学年からは中央値から最小値の範囲の方が大きくなった。このことから，活動Aで適切に処理できる集団は年齢が上がるにつれて，活動ができる層の幅が狭くなっていることがわかる。D13760-77001345-堤.indd   39 2025/03/25   9:14:16－40－表6-7７．まとめ今までの結び目の調査研究では、立方体を見て描くことと三葉結び目（図2-2）を見て描くことについて，学年ごとに表現を比較したところ，小学校の中学年では立方体よりも三葉結び目をかく方が描きやすいことが分かった［３］。そのため，小学校の中学年から，交点数の少ない結び目の図を描いて考える活動が可能ということを主張している。６章における集団の分析における表6-7から，小学校の高学年から中央値から最大値の範囲（外れ値は除く）の方が大きくなったことから，適切に理解できる子ども達が増加してきている。そのことから小学校高学年から結び目などの教材を用いた学習が可能ということが考察できる。このことは、小学校４年生で立方体や直方体の見取り図を学習したときに、位置関係に着目して考察することができることも大きな要因ではないかと考えられる。 これらの事実からも，小学校４年生から５年生にかけて今回の結び目教材の導入は可能であるが，表6-7からは小学校の高学年から中央値から最小値の範囲が大きくなることや，6章の変形の分析や集団の分析から小学校の中学年と小学校の高学年には有意差は見られなかったことから，結び目の教材を適切に扱えない子ども達も多くなることに留意しなければいけない。その観点からもこの活度を継続していき，適切な導入時期を今後も検討していきたい。2024年のサイエンスフェスタにも参加するので2023年の結果を反省しながら研究を進めていきたい。特に，同じ活動を継続してやりながら新たな活動を取り入れながら進めていきたい。参考文献［１］岩瀬謙一，「空間図形指導への結び目の導入」2024年度数学教育学会春季年会予稿集，p18-20（2024）［２］ 船田智史，松本宗久，堤康嘉，東尾晃世，岩瀬謙一，青少年のための科学の祭典　大阪大会2023「結D13760-77001345-堤.indd   40 2025/03/25   9:14:16－41－び目で数学してみよう」https://www.pesj-bkk.jp/OSF/pdfdoc.php?gbsr=&memo=title_regular&id= ANwL5Or8AA（2024年３月11日）［３］ 柳本朋子，宮崎萌恵，小山真佳，金田良平，山本賢「３章小学校における実践」結び目の数学教育研究プロジェク３，p22-60（2009）［４］ 柳本朋子， 東尾晃世， 小山真佳， 樹下堅， 阪下萌恵 「２章小学校における実践」結び目の数学教育研究プロジェクト６，p17-30（2023）［５］小学校学習指導要領（平成29年告示）解説-文部科学省 日本文教出版D13760-77001345-堤.indd   41 2025/03/25   9:14:16

A Study on the Timing of Introduction of Knot Education : Report on the Youth Science Festival 2023 in Osaka

小川内, 哲生

Tetsuo. OGAWAUCHI

Survey and research on the learning of University Students in Distance Learning Course

目　　　　次原著論文自己感情へ目を向けることを促す授業の開発と効果の検討－中学生における身体感覚の概念化に関する授業プログラムを通して－	 松本　　剛	 茨木智恵美		……………… １『十牛図』と西田哲学の教育哲学的一考察　（その１）	 広岡　義之		……………… 15いじめと心理社会的不適応との関連－海外の研究動向と文化差－	 水谷　聡秀		……………… 232024年度神戸親和大学大学院修士論文題目2024年度のあゆみ

宇野, 光範

UNO, Mitsunori

は　じ　め　に国際教育研究センター長　宇　野　光　範　「国際教育研究センター」（International Education Research Center 略称：IERC）は開設 11 年目を迎え、この度、紀要第 8 号を発刊する運びとなりました。紀要創刊号は2015 年 3 月に発行されましたので、満 10 年というひとつの節目を迎えたことになります。また、本号は「神戸親和大学」としての、当センター初の発行となっています。　センター開設以来の国際社会の変動によって、本学の国際活動も、少なからず影響を受けることとなりました。このような中、本学学生、教職員の国際交流活動への関わり方も多様化しました。対面の国際活動として、ウィズ・コロナの時期に大学としていち早く長期留学を実現させたことは、学生の学びの充実に加え、新聞報道等を通じて、地域社会にも明るい話題を提供するものとなりました。本号の報告にもありますように、海外から論者をお呼びしての国際フォーラムの復活も実現されました。　こうした対面での活動と並行して、多くの学生、教職員が、世界の様々な地域との遠隔接続において、国際的なワークショップや会議等に参加することも、日常生活の一部となりました。例えば本センターの直接の活動ではありませんが、国際共創プロジェクトである OECD Education 2030 においても、本学では、学生の主体的な参画が、2023 年度卒業生から 4 学年に渡り受け継がれてきています。　さて、本号は、国際的な語学カリキュラムの対照分析という、教育政策にも関係する研究論文、および、本学留学生の自律性を涵養する日本語教育実践の報告を軸に組まれています。これらはまさに、協調的ウェルビーイングや、新しい主体性としてのエージェンシーといった、教育をとりまく現代の先端的なテーマに関わるものです。そして見返しますと、10 年前の本紀要創刊号の巻頭論文においてすでに、Elizabeth Morley 先生は幼児教育の主題としての、Belonging, Engagement, Well-Being, Expression の重要性について強く説かれています。「ひと」を大切にする本学の文化は、本センター紀要において一筋を紡ぎ続けてきたことがわかります。　同じく創刊号の巻頭言において、山根耕平理事長は、大学としての組織的な研究拠点としての国際教育研究センターの在り方について述べられていますが、この点についてはまだ道半ばであることが今後の課題です。個々人の学問の自由を基盤にしつつ、大学として社会全体の幸福に寄与することのできる組織的な研究活動のハブとして、本センターがますます発展していくことを祈念します。D13755-77001327-はじめに.indd   1 2025/02/06   16:58:39

はじめに

松本, 直子

Naoko MATSUMOTO

The Influence of Early Childhood Home Education on University Studentsʼ Sense of Adaption

投稿要領

神 戸 親 和 大 学令 和 7 年 2 月２０２５研　究　論　叢第　58　号ISSN　2759-145XREVIEWOFKOBE SHINWA UNIVERSITYKobe Shinwa UniversityKobe JapanNo. 58　Feb. 2025

裏表紙

隈元, 泰弘

KUMAMOTO, Yasuhiro

杉山, 真人

SUGIYAMA, Masato

島田, 喜行

SHIMADA, Yoshiyuki

小川, 雄

OGAWA, Takeru

Moral Education and Sport : From the Perspective of “the Curriculum Open to Society”

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