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小学校理科における粒子および生命領域の教員研修
坂井市小学校理科研究部会と連携し,最近の理科(粒子および生命領域)授業で行われる実験についての課題や,教員が指導力向上のために受講を希望する単元(内容)をアンケートにより抽出した。その結果,希望が多かった内容や単元について,大学と地域が協働して講習会を実施し,事後評価を行った。この際,坂井市を含む同一ブロック内に勤務校のある上級CST(コア・サイエンス・ティーチャー:地域の核となる理科教員)も,エネルギーおよび地球領域の教材紹介等を担当したので併せて報告する
幼児期における自他感情の理解に関する予備的研究 : 仮想場面およびやり取り場面における幼児の反応の検討
幼児の自他の心的状態の理解を検討する方法として,これまで誤信念課題が多く使われてきたが,仮想場面を提示してその登場人物の心的状態の理解を求める形式であるため,リアリティがなく,幼児には正確な推測が困難であるとの批判がある。本研究ではその問題点を実験を通して確認し(研究1),問題点を改善したやり取り場面で心的状態の推測を行える課題の検討を行った(研究2)。その結果,仮想場面法の問題点が確認され,ゲームを通したやり取り場面を使用することの有効性が示唆された
Lacan and Zen Buddhism ( 2 ) : The primordial phase of language
前論文(西村,2015)では,絶対無を,通常の言語活動の主体としての自己の立場から,言語
活動を否定するはたらきとして捉えたが,本稿では,絶対無としての自己の立場から,言語活動の
根源相を考えた.絶対無の動性は,それ自体に即して捉えられるならば,絶対の静からの性しょうき起 と,
絶対の静への還かんめつ滅の一瞬の交替である.その一瞬一瞬によって,自己と世界は更新され保持されて
いる.そのような自己と世界こそが,ラカンのいう現実界に他ならない.言語活動は,根源的に捉
えられるならば,性しょうき起に相応し,現実界から言葉で以って何かを切り取る(限定する,分節する)
ことから起こる.しかし通常主体は,その切り取った瞬間,脚下の現実界と乖離し,言葉をシニフ
ィアンにして,それが喚起するシニフィエ(意味=イメージ)に執着し,それを実体化してしまう.
中唐期の馬ば
祖そ
の禅は,そのような通常の主体の有り方の奥に,言語活動の根源相を見通し,その主
体こそが,「仏」と同一視されうる「心」であると説くものであったと考えられた
福井県三国地域の海浜砂の教材化と小学生を対象とした教育実践
学習者が身近な地質に触れ,興味を持つ契機となる教育手法開発を目指し,著者らは福井県内の砂を題材とした実習を考案した.本実習は,坂井市三国町サンセットビーチの砂鉄に富む海浜砂から,パンニング(椀がけ)によって砂鉄を分離するという内容である.この実習を,児童館において計102名の小学生を対象に実施した.参加者への事後アンケート調査結果は,本実習を通じ,多くの児童がパンニング作業を楽しみ,身近な自然に興味を持ったことを示した
中学生ハードラーの踏切距離と着地距離について
競技会における中学生のハードル走競技を対象にして,踏切からハードルまでの踏切距離と,ハードルから着地までの着地距離について検討することを目的とした。対象にした男子20名と女子21名の中学生ハードラーは,体育授業で行うよりもはるかに多くの練習時間を,ハードル走練習に費やするとともに,専門的な指導も受けていると推察できる。ハードリング距離に対する踏切距離と着地距離の%は,男子54.0±5.3%と46.0±5.3%,女子54.0±5.7%と46.0±5.7%であり,男子と女子ともにほぼ1:1の比率であることが明らかになった。この比率は,副読本に明示されている比率や従来から一般的に指導されていることとは異なる。男子と女子ともに,インターバル速度とハードリング距離(P<0.01)および着地距離(p<0.05)には,有意な相関関係が認められたが,踏切距離とは相関関係は認められなかった。これらのことから体育授業では,遠くからの踏切と遠くに着地するハードリングを行うことができるハードルの高さ,および高い歩数頻度で3~5歩の疾走を容易に行うことが可能な距離を設定することが,適切ではないかと考える
The Development of Mathematical Thinking : A Practical Study through Small Group Discussion Activities in Junior High School Math Class
本研究の目的は,中学校数学「文字式」の授業において,学習課題の与え方の工夫と小集団によ
る話し合い活動を取り入れた授業を企画実践し,数学的に考える力の育成を目指す数学教育の方法
論的効果を今日的観点から考察し,その数学授業のあり方に対する示唆を導き出すことである.生
徒に具体的課題とそれを一般化する課題を同時に与えた.生徒の個人思考後,すべての生徒が小集
団の中で主体的に自己の考えや気付きを説明し合う話し合いに参加できた.このことは,生徒が自
力でよく考え,自他の考えを理解し合うことによって自信を持ち,多様な考え方を比較検討し,よ
り簡潔な考えを求める等,数学的に考える力の育成に繋がった.更によりよい学校生活に生かそう
とする姿勢も見られる等人間性や社会性を高めるものとなった.このような話し合い考える数学授
業のあり方は,すべての生徒にとって楽しく捉えられ,その有用性や有効性を示すものとなった