Hokkaido University of Education
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教職大学院での学びを生かして ─ 現職教員編 ─
近年の教員養成において、専門的知識や高度な指導技術等が求められており、より教職大学院に求められる存在意義が高まっている。北海道教育大学教職大学院においても例外ではなく、令和3年度より、大学院レベルの教員養成機能を教職大学院に移行し、新たな教職大学院として再スタートをしている。しかしながら、教職大学院での学びの成果を数値化することは困難であることがこれまでの課題であった。本稿では、3名の現職修了生の学びを本人たちによる体験談という形で質的な成果として提示し、教職大学院での学びの共通点を探り、教職大学院での学びの成果を考察した。3名の現職修了生の体験談からは、教職大学院が「学びを得る場」「俯瞰・省察の場」「人とのつながり・ネットワークを広げる場」になっていることが共通して読み取れ、現職教員が教職大学院に通うことの大きな成果といえる。(なお本稿は、品田が「はじめに」と「考察」、柴田が「体験談1」、相馬が「体験談2」、伊藤が「体験談3」、安川が全体の構成と監修を担当した。
発達障害のある児童に対する文章構成と課題の明確化に着目した作文指導
本研究は作文が苦手な発達障害児に対して,文章産出過程性の困難の改善に有効であると考えられる文章の構成要素をシンボルで示す「作文マーク」と,作文課題性の困難の改善に有効であると考えられる基礎的作文スキルの課題を明確化し,視覚的に示した「作文ミッションカード」を合わせた指導を行い,対象児への指導の効果を検討することを目的とした。指導の結果,対象児が書く作文に接続詞が安定して出現するようになり,書き誤りの割合も減少したことから,「作文マーク」は文章産出過程性の困難と作文課題性の困難の両方の改善に有効である可能性があり,「作文ミッションカード」は作文課題性の困難の改善に有効である可能性があることが明らかになった
児童生徒の視点を取り入れたアクティブ・ラーニングの授業改善 ― 児童生徒の質問紙調査に着目して ―
本稿では,児童生徒の算数・数学授業に対する意見を質問紙調査で把握し,それを分析することで,学習者主体の授業改善の視点について考察するために調査を行った。児童生徒間の回答の比較から,これまで楽しかった授業の活動内容として「説明する」活動に大きな差が見られたことから,生徒は児童に比べて話し合い活動やグループ活動は好きであるが,自分の考えを「説明する」ことに対しては苦手意識をもっていることが明らかとなった。また,生徒の一定数は,「説明する」活動を望んでいるものの,どのようなことを説明・表現したらよいかわからないといった意見が多かったことから,より主体的になるアクティブ・ラーニングの授業改善として,説明・表現活動の工夫が挙げられる。一方で,児童生徒の質問紙調査のみでは,話し合やグループ活動が好きなのにもかかわらず得意ではないことの背景について,十分に分析・考察できないという課題も残された