京都大学0048新制・課程博士博士(医学)甲第22726号医博第4644号新制||医||1045(附属図書館)京都大学大学院医学研究科医学専攻(主査)教授 戸口田 淳也, 教授 柳田 素子, 教授 滝田 順子学位規則第4条第1項該当Doctor of Medical ScienceKyoto UniversityDFA

Yamashita, Takafumi

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RIGHT:URL:CITATION:AUTHOR(S):ISSUE DATE:TITLE:C-type natriuretic peptide restores growthimpairment under enzyme replacement inmice with mucopolysaccharidosis VII(Abstract_要旨 )Yamashita, TakafumiYamashita, Takafumi. C-type natriuretic peptide restores growth impairment under enzyme replacement in mice withmucopolysaccharidosis VII. 京都大学, 2020, 博士(医学)2020-09-23https://doi.org/10.14989/doctor.k22726許諾条件により本文は2021-01-24に公開; Endocrinology. 2020 Jan 24.pii: bqaa008. doi: 10.1210/endocr/bqaa008.京都大学 博士（ 医学 ） 氏 名 山 下 貴 史 論文題目 C-type natriuretic peptide restores growth impairment under enzyme replacement in mice with mucopolysaccharidosis VII  （ C型ナトリウム利尿ペプチド投与治療は欠損酵素補充治療を併用することでムコ多糖症Ⅶ型マウスの成長障害を回復させる） （論文内容の要旨） 【背景・目的】ムコ多糖症（MPSs）はグリコサミノグリカン（GAG）を分解する酵素の欠損により引き起こされるライソソーム病である。欠損する酵素によりⅠ-Ⅳ、Ⅵ、Ⅶ、Ⅸ型に分類され、Ⅶ型はβグルクロニダーゼ（GUSB）をコードする遺伝子の変異によりコンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸と他の型より多種の GAG が蓄積する。MPSsはGAGの蓄積により全身の臓器が障害され、精神発達遅滞、関節固縮、閉塞性気道疾患といった様々な症候を呈するが、既存の治療である欠損酵素の補充療法では成長障害は残存する。MPSs の成長障害は、低身長症に対し広く用いられる成長ホルモン投与にも抵抗性であり、課題として残っている。C型ナトリウム利尿ペプチド（CNP）は成長促進因子であり、MPSsと同じ骨格異形成症の一つである軟骨無形成症や、成長ホルモン抵抗性のグルココルチコイドによる成長障害に対する有効性が報告されている。以上の背景により、本研究ではMPSⅦ型の成長障害に対するCNPの効果を調べる事を目的とした。 【方法・結果】6 週齢の MPSⅦ型モデルである Gusbmps-2jマウスに対し、ハイドロダイナミック遺伝子導入法を用いてGUSB 補充とCNP 投与のモデルを作成した。具体的には、発現ベクターにマウスGusb遺伝子あるいはヒトCNP遺伝子をクローニングし、各ベクターを体重の 8-10%の生理食塩水に溶解し、尾静脈から急速注入した。空ベクターを注入した群（Empty群）、単独発現（GUSB群、CNP群）あるいは共発現させた群（GUSB/CNP群）を作成し、4 週間観察した。成長曲線から GUSB 群および CNP 群では体長の有意な伸長は認めなかったが、GUSB/CNP群では有意な体長の伸長が得られ、4週間後に野生型マウスと同等の体長となった。この相乗効果の機序を調べるため脛骨遠位端の成長板組織像を検討した。Empty群は野生型マウスと比較して、静止層（RZ）が腫大した細胞を伴って厚く、増殖層（PZ）、肥大化層（HZ）の細胞数が少なかった。次いで介入効果を検討し、GUSB発現によりRZ の厚さが有意に減少し、PZ、HZ の細胞数の増加が見られること、CNP 発現によりPZ、HZ の厚さが増大すること、GUSB/CNP 共発現により相乗的に PZ、HZ の細胞数が増加することを明らかにした。背景として、Empty群では野生型マウスと比較し PZのKi-67陽性細胞数が減少しHZのTUNEL陽性細胞数が増加していたが、GUSB発 現によりいずれも改善した。最後に、異常な骨密度増加、関節障害に対する効果を検討し GUSB発現でいずれも改善が得られること、CNPを共発現させてもこれらの改善が阻害されないことを確認した。 【考察】 MPSⅦ型モデルマウスの体長に関して、GUSBあるいはCNP単独の発現では有意な伸長が得られなかったが、共発現させることで有意な伸長が得られた。成長板の解析からGUSB治療はRZの細胞へのGAGの蓄積を減少させ、PZでの細胞増殖およびHZでのアポトーシスに関する異常も回復させることが示された。CNPの成長促進作用は、GUSB治療により成長板の異常が改善した環境下において、より効果的であったと考えられた。MPSⅦ型の成長障害を酵素補充療法とCNP の併用により治療できることが示唆され、蓄積するGAGの種類がⅦ型よりも少なく、患者数が多いⅠ型やⅡ型への応用も期待される。  （論文審査の結果の要旨） ムコ多糖症（MPSs）は分解酵素の欠損によりグリコサミノグリカンが全身に蓄積するライソゾーム病であり、Ⅶ型はグルクロニダーゼ（GUSB）をコードする遺伝子の変異による。既存治療の酵素補充療法には成長障害が残存するという課題が残っている。本研究では成長促進因子であるC型ナトリウム利尿ペプチド（CNP）のMPSⅦ型の成長障害に対する効果を検証した。MPSⅦ型モデルである Gusbmps-2j マウスにおいてハイドロダイナミック遺伝子導入法による過剰発現系を利用してGUSB補充とCNP投与の各治療モデルを作成した。GUSBおよびCNP単独治療では有意な体長の伸長は認めなかったが、併用治療により有意な体長の伸長が得られ、野生型マウスと同等の体長となった。機序を調べるため脛骨遠位端成長板の組織像を検討すると、GUSB 治療は静止層の異常な肥厚を改善し、減少していた増殖層、肥大化層の細胞数を増加させていた。CNP 単独治療でも増殖層、肥大化層の細胞数は増加したが、GUSBとの併用治療では相乗的な細胞数増加が得られた。MPSⅦ型の成長障害は、酵素補充療法により成長板の異常が改善した環境下に、CNP 治療を併用することで治療可能となる可能性が示唆された。 以上の研究は、MPSⅦ型における成長障害の機序解明と新規治療法の開発に貢献し、MPSsに対する治療の発展に寄与するところが多い。 したがって、本論文は博士（ 医学 ）の学位論文として価値あるものと認める。 なお、本学位授与申請者は、令和 2 年 8 月 4 日実施の論文内容とそれに関連した試問を受け、合格と認められたものである。     要旨公開可能日：  令和   年    月   日 以降 

C型ナトリウム利尿ペプチド投与治療は欠損酵素補充治療を併用することでムコ多糖症Ⅶ型マウスの成長障害を回復させる

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C型ナトリウム利尿ペプチド投与治療は欠損酵素補充治療を併用することでムコ多糖症Ⅶ型マウスの成長障害を回復させる

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