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TAT の反応領域からみた摂食障害者の心理的特徴

Abstract

本研究はTAT の反応領域を手がかりに,摂食障害(Eating Disorder)の人の認知の在り方をイメージのレベルで検討し,心性の理解を試みた。TAT 図版1,2,12BG,19への反応領域を統制群と摂食障害群とで比較したところ,先行研究とは異なり,細部であるDd,d領域についての認知に有意差がなく,大部分の人が認知するD 領域についての言及が少なかった。また事例を検討したところ,D 領域についての言及の少なさには,内面の参照の難しさ,女性イメージの身体性に対する拒絶,情緒や葛藤を分化させることの難しさなどが推測された。摂食障害は認知の歪みによって起こるということが従来言われているが,本研究から認知の背景にあるコンプレックスの圧倒的な力が推測されたことから,治療においては認知を現実レベルで修正するのではなく,イメージレベルのものとして扱っていくことが重要ではないかと考えられた

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