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アイヌ遺骨問題に関する関係者インタビュー

Abstract

北海道には先住民族であるアイヌ民族が住んでいます。独自の文化と言語を持つ彼らに対して、開拓の名のもとに同化政策を押し進められたのが約150 年前です。また、世界的に形質人類学がもてはやされた時期からは、盗掘ともとれる大々的な収集が組織的に行われました。そして、それは主に各地の大学機関によって行われ、北海道大学が一番多くアイヌの遺骨を保管していました(2019年11月に慰霊施設に集約されました)。1980 年代からアイヌ民族による遺骨返還の請求があり、ごく一部の遺骨に関しては返還できたものの、それ以降2010年代は裁判の和解による返還しか実現できていません。 多くの科学技術や研究開発が人々の幸福を望んで行われていることは間違いないと思います。しかし、その結果が研究者の意図に反して社会との軋轢を生じる場合もあります。その一例がアイヌ遺骨の収集の歴史と現在だと思います。本調査では、北海道大学が研究のために収集・保管しているアイヌの遺骨、副葬品など、過去の研究が現在にもたらした「負の側面」に注視し、ステークホルダーへのインタビューを敢行します。過去の研究がもたらした結果に、それぞれの立場で、どのように向き合っているのかを、わずかでも浮き彫りにできればと思います

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