当院における経皮的心肺補助装置の導入状況と予後について: 症例集積研究

Abstract

京都府立医科大学附属北部医療センター循環器内科京都府立医科大学附属北部医療センター臨床工学科Department of Cardiovascular Medicine, North Medical Center, Kyoto Prefectural University of MedicineDepartment of Clinical Engineering, North Medical Center, Kyoto Prefectural University of Medicine経皮的心肺補助は、重症心不全(急性心筋梗塞、心筋症、劇症型心筋炎など)、開心術後の低拍出症候群、大血管手術(胸部下行大動脈瘤、胸腹部大動脈瘤)による補助循環や重症呼吸不全などの病態に用いられているが、近年救急医療の現場、とくに心肺停止患者への適用が急増している。しかしながら、装置が高価であることや導入にマンパワーを要する治療法であることから、導入をためらっている施設も少なくない。また、適用基準や使用方法についても各施設によってさまざまである。経皮的心肺補助装置は2008 年に当院に導入され、2018 年3 月までの約10 年間で16 例に用いられた。年齢の中央値は65.5 歳で、男性が12 例だった。原因疾患として急性冠症候群/ 急性心筋梗塞が11 例、劇症型を含む心筋炎が4 例だった。そのうち2 例は現在も当院外来に通院中であり、長期生存率は12.5% であった。高齢化率の高い丹後医療圏におけるPCPS の適用基準にまつわる問題点を挙げ、使用の心得を記述し、京都府下の病院におけるPCPS 導入状況を俯瞰する

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