カンサ ト カイケイ セキニン SHERER ト KENT ノ ショセツ 2

Abstract

本章では経営監査の目的と技法を論じた。経営監査は内部監査の当然の発展なのである。ただし,それは内部監査より広く,かつより離れた観点から組織体の能率性を評価するものであるが,経営監査のかなりの部分は組織体に組みこまれている方針や手続の審査および改善の勧告に係っている。この方法は職能審査として知られるが,適当な財務上および非財務上の手続が財貨(resources)の能率的な利用に必要な前提条件であると仮定している。この方法…これは通常,組織体の最高レベルの経営者の手続の評価を含む…をとるにあたって,経営監査人は組織体が営業しているその環境に注意しなければならない。彼の新しい手続の勧告は,絶えず変化している環境に直面している経営者の意志決定と措置の能率性の改善を企図するものだからである。 職能審査はそれが能率性に重点をおくので,その目的が何であれすべての組織体に確かに適用できるものではあるが,しかし,株式会社または他の営利目的の組織体の経営監査に最も良く用いられてよい方法なのである。なおまた,もう一つの方法,業績審査は,多分より直接,非営利組織体に適したものなのである。なぜならばそれは能率性と同様に有効性にも係っているからである。業績審査は財務上の用語で表現できないものをも含めて,組織体がどの程度その目的を達成しているかを査定しようとするものである。業績審査は組織体の表明された目標のそれぞれに対して適当な代用となる測定値(proxy measure)を開発することにより組織体の業績を予めきめられた規準と比較するものである。業績審査の結果は,組織体がその目的を達するのに資するために,数量化された規準を与えるものである。業績審査はまた,外部関係者をして諸目的間の関係について意識させ,彼らにその相互間における代替について査定できるように適当な情報を与える。このことは大学,慈善団体,国営事業のごとく,幾つもの目標,多くの利害関係者のグループを有している非営利組織体においては特に有用なことである。 経営監査における所見(丘ndings)は外部関係者に極めて有用な統制情報を与える。従って,この種の監査が究局的にはすべての組織体についてなされ,その経営監査報告書が通常の法定監査報告書と共に公表されるようになることが可能なのである(原注7)。かくて一っの関連した問題として,法定監査人が経営監査を遂行するのにもまた適任かどうかということがある。法定監査人はその財務監査の仕事をしている結果,当該組織体の活動や手続について既に詳細な知識をもっているので,その組織体の経営監査をなすのにも適任であるともいえよう。更にまた,法定監査人の幅広い多くの組織体についての経験は,職能審査および業績審査の双方について適当な,外部よりの業績規準を定めることに役立とう(原注8)。しかし,経営監査は通常の法定監査とは異った技術を要することが認識されねばならない。特に,それが法定監査より業務の非財務的な測定値にしばしばより関与するからである。これらすべてを考慮してみると,法定監査人が経営監査を行うのに最適な者であるかどうかは決して明らかではないのである。しかし,株主や他の関係者による要請が,職業会計士の事務所が少くともものスタッフの一部を経営監査の技法の訓練に向けること152を促進することになろう。研究ノート(Note

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