Yokoo Hiroki

横尾 大樹

Thesis学術フロンティア研究　平成１７年度～平成２１年度　研究成果報告書thesi

横尾, 大樹

Yokoo, Hiroki

KANAGAWA University Repository

異なる地盤構造における微動アレイ探査によるS波速度構造の推定に関する研究荏本研究室 200302638横尾 大樹1.はじめに地盤構造を明確にするためには､微動探査法以外にもさまざまな地盤構造推定法があるが､どれも精度や経済面の問題があり､コス トがかかるというデメリットがあるoLかし､微動アレイ探査法は直接､s波速度構造を推定できるというメリットがある｡この微動アレイ探査法は表面波であるレ- リー波を仮定して､主に微動の上下動成分の観測結果からレ-リー波の分散を求めて､地盤の大局的な地盤構造を把握する方法である｡ここでは､SPN:法を用いて､算定される位相速度の分散性に着目し､逆解析を行なうことによって表層面のS波速度を求め位相分散曲線を推定することを行う0本研究では､異なる地盤で微動アレイ探査を行い､分散曲線を計算し､ボーリングデータによる理論分散曲線と比較することにより､異なる地盤における微動アレイ探査法の有用性を検討することが目的である｡2.微動アレイ探査(1)鰍 地点観測地点は､神奈川県逗子市立逗子小学校､新潟県新潟市鐘木の市有地､神奈川県平塚市立豊田小学校､平塚市湘南海岸公園と横浜市立大鳥小学校の5つの異なる地盤構造をもつ場所で観測を行った｡表1に､名称､観測地点､基盤深度を示す｡図 1にアレイ観測地点の例(大鳥小学校)を示す｡(2)御 ･解析観測は､サーボ型速度計 (7台)を使用し､SPC51で観測を行い､サンプリング周波数を 100-1000地 で図1の観測位置に示す地点で行った｡アレイ半径はボーリングデータから得られる物性値を考慮し､工学的地盤までの距離を仮定して観測地点に応 じて,大きいアレイは半径10mから半径 3.125mまで､観測時間を15分でアレイ半径を変えて2-5セットづつ観測を行った｡SPAC法は､レイリー波を主に解析 し､観測された常時微動データの鉛直成分を用いて分散曲線を算出する｡名称 観雅地点 基鮭深度 (也)ZUSHI 逗子市逗子小学校 18NⅠⅠGATA 新潟県鐘木 133SHOUNAN 平塚市湘南海岸公園 70TOYODA 平塚市豊田小学校 44表 1 微動アレイ観測地点図1､アレイ配置図 (例 :大鳥小学校)(3).sPAC法(空間自己相継位相速度の分散性を求めるために､位相速度は周波数ごとに複数点の空間自己相関関数から求めることができる.空間自己相関関数は､各微動観測データから得られたパワースペクトルとクロススペクトルの実数部を用い次式で求められ､pα,r)-rea廟 (f,r)∫Ji:･](f)･Pb-(i)(1)fi･(f,0):御 '記録から得られる卿 ･JLi,点間のクロススペクトルj:I,(I,0):基準点の微動記勧 らゝ得られるパワースペクトルPD･(I,0)‥観軌句の馳 らゝ得られか 1ワースベクトルこの空間自己相関関数は､2観測点間の距離rと周波数′を変数としており､どちらを横軸に設定してプロットしても第1種0次のベッセル関数と同じ形になることが知られている｡空間自己相関係数と第 1種0次のベッセル関数から次式が導かれる｡pv･r)-Jo(諭 -Jo(I)-C(I)-讐 '2'C(/):位相速度空間自己相関関数の変数を 2観測点間の距離とした場合､特定の周波数fについて､(カ式を用いて位相速度を求めた｡Astudyatx)utanestimateofSwave甲eedstructu托 bymicrotremOraZTayOb紀Ⅳationindiferentgroundstructure YOKOOHiroki267.3.理簸分散曲線理論分散曲線を得るためには地盤が成層構造をなしていると仮定し､地盤の物性値(層厚､密度､P波速度､S波速度)が必要である｡そのため､PS検層を実施していない地盤 (豊田小学校､湘南海岸公園)では､参考文献4)によるN値からS波速度を求める換算式を用いた｡次に､参考文献 5)に掲載されている､神奈川全域を対象としたP波速度と密度について換算式を用いて算定した｡以上のデータを元に､層厚をボーリング資料による地盤に合わせることで､理論的な位相速度分散曲線を求めた｡また､逗子小学校､新潟鐘木と大鳥小学校の地盤では､PS検層データがあるため､これにより理論的な理論分散曲線を算定した｡4.御 分散曲線と理論分散曲線の比較 ･検討異なる観測地点で観測された観測分散曲線と､ボーリングデータから得られた理論分散曲線のフィッティングを行った｡ボー リングデータは図2､S波速度構造を図3､理論分散曲線 とのフィッティング結果を図4に示す｡逗子小学校と新潟県鐘木において､それぞれ比較検討を行った結果､観測分散曲線と理論分散曲線とが比較的良く一致した (図4)0湘南海岸公園と豊田小学校のボーリングデータの深さが十分でなかったため､深い地盤構造データは参考文献6)を参考に推定した｡層厚はそのままにし､深さとS波速度を､参考文献 7)を参照しつつ推定した｡その結果､算出した理論分散曲線と良く一致した｡大鳥小学校は昨年の研究より硬質地盤だと推測されたが､理論分散曲線 との整合性が悪く再度検討した｡その結果､16mほど表層面に 100m/S以下のS波速度をもつ軟質層が存在する地盤 と確認された｡よって､図4に示すとおり､理論分散曲線と⊥致した｡5.まとめ異なる地盤における観測分散曲線とボーリングデータにより算定した理論分散曲線の比較を行った｡その結果､多少地鮭構造を修正することによりフィッティングすることを確かめた｡これにより地域の異なる地盤で､ほぼ一致することが確課された｡以上のことか ら､微動アレイ探査法を用いて､適切なアレイサイズの推測と観測回数やアレイサイズの組み合わせを増やすことによって､より正確な地盤構造を推定することができ､その有用性が謬められた｡図2､ボーリングデータ268S波せん断速度比較表Vs(m/i)0 100 200 300 400 500 600 700 800図3､各観測地点のS波速度構造i ･-I.I0的的め的8g帥;~~∴iFr●■h之)-ー~-~~-~~~~■̀~'-■-~~■ ~~■~~.~l▲- - ▼---L-▲~-図4､理論分散曲線とのフィッティング参考文献 1)〕即 BニrSPAC法による地盤構造推定に関する研究｣早稲田大学修士論文､20032)石井匠:rSf'̂C法を用いた微動アレイ勧 gによる地盤構造の軌 神奈川大学卒業論文､20063)新倉直明:r微動アレイ額割による表層地腹構造の推定に関する研究j神奈川大学卒莞論文､20064)地震防災マップ作成技術資料 内観府防災情報5)Lu血igetal_(1970)6)平塚市博物研 究報告 『自然と文イEjl第27号7)落合勉 ｢高密度故郷 tJを用いた相模平野の 3次元地鮭構造の推定と地取掛讃静降性に関する研究｣､芋轍 日大学修士論文 2000

A study about an estimate of S wave speed structure by microtremor array observation in different ground structure

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