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Authors
Fumiko HASHIMOTO
Yuko FUKUSHIMA
橋本 扶養
福島 裕子
Publication date
30 September 1996
Publisher
Abstract
産褥期の看護の対象は疾患を持った人ではなく健康人である。そのため,健康上の負の側面に対する援助よりも,より健康になるための看護が大部分を占める。そして,褥婦の母親役割取得過程が1順調に進み,退院後母子共に健康な生活が遅れるように援助や保健指導をしていくことが産褥期の看護の特徴である。学生が産褥期を対象に看護過程を展開する場合,他の領域の実習と異なり,変化が早く受け持ち期間が短いこと,疾患を持つ人間ではなく生理的な変化をしている健康人が対象であること,などから学生にとって様々な困難が生じやすく,産褥期の看護の特徴が十分に学習できない状況となっている。そこで,今回,産褥期の看護の特徴をより学びやすくするための工夫として,変化の早い産褥期に合わせた1日サイクルの看護過程展開方法を試験的に導入してみた。そして,従来どうり数日かけて看護過程を展開した場合と比較し,どちらがより産褥期の看護の特徴が理解されるか,学生の実習記録から分析した。その結果,新しい試みの場合,褥婦の心理的側面の把握,産褥経過の正常性の判断,退院後の生活を含めた今後の経過の予測の3点で理解度が十分ではなかった。つまり,1日ごとの看護過程の展開方法を用いると,学生の思考が分断されて問題解決的な思考能力につながらず,産褥期の看護の特徴が十分に理解されないことが明らかとなった。そして,今後は,学内演習の工夫,アセスメントガイドの活用状況のみなおし,看護診断の導入,実習終了後の振り返りを充実させるなど,看護過程の展開方法以外の部分で検討し,産褥期の看護の特徴を学べる実習方法について考えていく必要性が明らかとなった
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Last time updated on 05/04/2020