小児における頭顔面部の生体計測について:日本人と中国人との比較

Abstract

2歳から6歳までの日本と中国の小児合計1062名について,頭顔面部ならびに身長,体重の生体計測を行った。1)日本,中国の小児ともに,内眼角点間(en-en)ならびに外眼角点間(ex-ex)距離には,加齢的な増加は認められなかった。一方,オトガイ点(gn)は日本の小児では加齢に従い,下方への著しい発育を示したが,中国の小児では発育が少なかった。それに伴い,日本の小児では,ch-ch(口唇交点)間距離も下方へ移動したが,中国の小児では,大きな変化はなかった。2)側貌では,日本の小児で耳珠点と顎角点(t-go)距離が加齢的な変化をあまり示さないが,中国の小児では,下方への発育が大きかった。これらの発育の相違は,2歳児では差がなく,3歳以上になると顕著となり,日本,中国それぞれの特徴的な顔貌を示しはじめた。3)日本の6歳児の頭顔面部の発育について,先人の研究結果と比較し,頭長には大きな変化はないが,本研究では頭幅がより大きく,形態学的顔面高は,逆に非常に小さかっ

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