無歯顎患者に対しインプラントオーバーデンチャーで口腔機能を再建した1症例

Abstract

症例は81歳女で、72歳時に上下無歯顎となり、3年前から使用の総義歯で粘膜疼痛が生じるようになった。下顎顎堤の著しい吸収により、オトガイ孔が歯槽頂付近に位置しており、義歯内面のオトガイ孔相当部をリリーフしても義歯自体が顎堤に吸着しないため、わずかな横ずれでも激しい疼痛を生じていると推察した。義歯維持力回復のためImplant Over Denture(IOD)が最適と診断し、同意を得て画像所見に基づき、骨量の安定した部位である下顎左右2番相当部の歯槽頂より舌側寄りに直径3.7mm、内長10mmのインプラントを2本植立し、インプラント周囲へ全周2mm以上の既存骨保存を得ることができた。3ヵ月後に二次手術を行い、義歯製作に準じた印象採得、顎位の決定を経てロケータータイプアタッチメントを用いたIODを装着した。補綴後3年経過し、経過良好でリコールメインテナンスのみ行っている

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