タイコン リコン フクコン ジョセイ キンシュ モノガタリ サッカ ノ ケッコンカン

Abstract

女性禁酒物語作家の作品では、被害者としての妻にスポットが当てられ、酔いどれの夫に如何に対処したかが前景化される。すなわち、女性が禁酒物語を書くことは、家庭における女性の立場を考えることであり、夫との関係、端的に言えば結婚の意義と離婚の可能性を考えることにつながっている。本稿はそうした問題意識に立ち、女性禁酒物語作家の作品を、妻がひたすら耐えて夫との関係を維持する「耐婚」、夫との関係を自らの意志で断つ「離婚」、いったん関係性を断った後に復活させる「復婚」の三つのパタンに分類して代表的作品を対比的に分析する。そのうえで、女性―禁酒―離婚というこれまであまり顧みられることの少なかった側面に光をあて、キャロル・マッティングレイの先駆的研究を補い発展させることをめざす

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