重度認知症高齢者に対する熟練看護師の実践行動

Abstract

 熟練看護師の重度認知症高齢者に対する実践知から導き出された実践行動を4つのスキルから明らかにするため、半構成的面接を行いカテゴリー化を実施した。その結果、ヒューマンスキルでは、高齢者の想いを傾聴し重度認知症高齢者が他者と良い人間関係を維持できるよう努めていた。テクニカルスキルでは、多くを行動・心理症状への実践行動が占め、熟練看護師はこれまでのキャリアの発達段階で獲得したスキルを活かし、行動・心理症状や安全管理を大切にする実践行動へ繋げていた。メタ認知スキルでは、熟練看護師自身の実践行動について振り返り、次の実践行動へ繋げていた。コンセプチュアルスキルでは、重度認知症高齢者や家族の困難な状況に対して、問題解決やビジョン立案のスキルを発揮し実践行動へ繋げていた。これら重度認知症高齢者への実践行動は、熟練看護師自身の実践行動を振り返る省察の繰り返しによる継続性によってもたらされたものと考える

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