精神疾患を有する母親の育児ストレスとサポートの関連

Abstract

本研究の目的は,精神疾患を有しながら子育てをしている母親の育児ストレスと配偶者のサポート,ソーシャルサポートとの関連を明らかにすることである。A県の精神科医療機関に通院し,1 ~ 19歳までの子どもの養育をしている母親を対象として無記名自記式質問紙調査を行った。調査内容は母親の個人属性と育児ストレスの程度,ソーシャルサポートの有無と対象者の病気についての配偶者の理解についてである。分析は育児ストレス平均値の差を比較する検定を行い,有意差のある項目を抽出した。その後,有意差のある項目の重回帰分析にて要因を抽出した。結果,育児ストレスへの影響要因として,母親の病気の辛さへの配偶者の理解がないこと,経済状態が苦しい者,年齢が39歳以下であること,全てを受け入れてくれる人がいないことが挙げられた。支援者は,精神疾患を有する母親の年齢が若いことや経済状態が苦しいことは育児ストレスを高める要因として捉え支援することが必要である。また,配偶者の理解を得られるように支援していくと共に,配偶者に関わらず受け入れてくれる人の存在を得られるように,ソーシャルサポートの仕組み作りを行っていくことが必要であると考えられた

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