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定点観測で捉えたチャクチ海での気象擾乱に伴う海洋環境の変化

Abstract

近年の北極海の急激な変化を考える上で、北極圏の大気循環、とりわけ高・低気圧の役割に着目する必要がある。温度勾配が強い氷縁域で発生する低気圧については、その形成・発達メカニズムが「みらい」の直接観測により明らかになるとともに、海洋との熱の交換過程が北極の急激な温暖化に寄与することが示唆された (Inoue and Hori, 2011)。またボーフォート高気圧の変動は、北極海の海氷分布や海洋物理場 (海洋循環・渦)の変動を通じて、海洋中の熱・淡水・栄養塩の分布を変化させ、生態系にも影響を及ぼすことが「みらい」等の観測で明らかになってきた (e.g., Nishino et al., 2011a, b)。しかし、これまでの観測はスナップショットであり、大気のイベントに対して海洋がどう応答し、さらに生物活動がどう変化するかといった時系列での観測は行われておらず、高時間分解能の観測が求められる。近年、北極海では低気圧活動が活発化しており、それにより海洋の鉛直混合が促進され、栄養塩が表層に供給されれば、生物活動が増加する可能性もある。2013年「みらい」北極航海では定点観測点で高時間分解能の大気観測を行うと同時に海洋観測も行い、大気イベントに対する海洋の応答を調査するとともに、生物活動の変化を捉える観測を行った。また、定点観測に加え、広域観測を行うことにより、生物活動の時空間変動と海洋循環との関係を調査した。要旨 ; 2014年度日本海洋学会春季大会(2014年3月26日~3月30日, 東京海洋大学

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