Abstract

成人看護学実習における実習状況別の臨地実習自己効力感の違いおよび、学生による実習指導評価との関連を明らかにすることを目的とし、効果的な実習指導方法への示唆を得る。成人看護学実習を履修した看護学生3年生91名を対象とし、臨地実習自己効力感および日本語版ECTBを用いた実習指導評価の自記式質問紙調査を実施した。その結果、成人看護学実習経験回数別における臨地実習自己効力感は、「対象の理解・援助効力感」の[患者の症状や状態を観察し、症状の変化に気づくこと]のみ、成人看護学実習2回目のほうが有意に高く、その他、成人看護学実習内容や受け持ち患者数などによる有意差はみられなかった。臨地実習自己効力感と実習指導評価の相関では、臨地実習自己効力感の「対象理解・援助効力感」と「指導者との関係性維持・学習姿勢効力感」が、ECTBのすべての構成要素に正の有意な相関を示した。また、臨地実習自己効力感の「友人との関係性維持効力感はECTBの「実践的な指導」「学習意欲への刺激」に正の有意な相関を示した。本研究により、実習指導者による実践的・理論的な指導、かつ学習意欲への刺激や学生への理解がなされるような指導は、学生の対象理解や看護援助への自信となり、指導者との関係性の構築や学習へ向かう姿勢を高め、自己効力感が向上することが示唆された

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