Japanese/English Code-mixing Part II : Sublexical Mixing

Abstract

拘束形態素を越えて起こる言語混成が, Myers-Scotton (1990) のMLFモデルの中で示され議論されている。このMLFモデルによれば, 基底言語 (Matrix Language) が形態素配列や生産的なシステム形態素, すなわち, 屈折や機能語を規定する。一見すると, 我々のアメリカ人二言語使用者のデータはこれに反し, 英語の屈折形態素が日本語の動詞上に現れる。しかし, より詳しく調査してみた結果, これは原理に違反しておらず, むしろ原理を支持していることが判明した。英語の動詞屈折以外の拘束形態素-複数の \u27-s\u27, 比較級の \u27-er\u27, 抽象名詞化の \u27-ness\u27, 副詞化の \u27-ly\u27, 形容詞化の \u27-ish\u27など-が日本語の語幹に接辞として現れる例も, 我々のデータに含まれている。MLFモデルは, 動詞屈折において何も役割を果たしていない拘束形態素にたいして何の説明も与えていない。むしろ, これらのデータは, 副語彙混合 (Sublexical Mixing) という新しい概念を支持しているものと考えられる。すなわち, 埋め込まれている言語から語幹を取り出し, それを基底言語の語形成規則に入力し, 基底言語の内容形態素 (content morpheme) の位置にこれを出力するというプロセスが関与しているのではないかと考えられる

    Similar works