科学研究費助成事業 研究成果報告書：若手研究(B)2016-2017課題番号 : 16K1830

Kohei SHIMAMURA

嶋村 耕平

Tsukuba Repository

磁界共鳴による人工衛星間無線エネルギー送電の実
現
著者 嶋村 耕平
発行年 2018
URL http://hdl.handle.net/2241/00158963
筑波大学・システム情報系・助教
科学研究費助成事業　　研究成果報告書
様　式　Ｃ－１９、Ｆ－１９－１、Ｚ－１９ （共通）
機関番号：
研究種目：
課題番号：
研究課題名（和文）
研究代表者
研究課題名（英文）
交付決定額（研究期間全体）：（直接経費）
１２１０２
若手研究(B)
2017～2016
磁界共鳴による人工衛星間無線エネルギー送電の実現
Wireless power transfer for small satellite
９０７３６１８３研究者番号：
嶋村　耕平（SHIMAMURA, Kohei）
研究期間：
１６Ｋ１８３０６
平成 年 月 日現在３０   ６ １９
円     3,200,000
研究成果の概要（和文）：軌道上での有人・無人の宇宙活動は将来活発になると予測される一方で，その活動を
支えるエネルギーに関しては，現状で宇宙船単体ごとの自給自足状態であり，集中的な発電衛星システムからの
エネルギー供給や衛星間の余剰電力のやり取りが行われれば、活動範囲の広がりが期待できる。本研究では，無
線電力伝送を利用して、宇宙空間における宇宙機や人工衛星間での無線送電技術の基礎研究を行う。本研究では
衛星搭載可能な電力伝送システムについて提案する。
研究成果の概要（英文）：While manned and unmanned space activities on orbit are expected to become 
active in the future, regarding the energy that supports that activity, it is self-sufficient state 
for each spacecraft alone at present. If energy supply and exchange of surplus electric power 
between the satellites are carried out, the range of activity can be expected to widen. In this 
research, we will conduct basic research on wireless transmission technology between spacecraft and 
artificial satellites in outer space using wireless power transmission. In this research, we propose
 a power transmission system that can be equipped with satellites.
研究分野：航空宇宙工学
キーワード： ビームエネルギー推進
  １版
様 式 Ｃ－１９、Ｆ－１９－１、Ｚ－１９、ＣＫ－１９（共通） 
１．研究開始当初の背景 
軌道上での有人・無人の宇宙活動は将来活発
になると予測される一方で，その活動を支え
るエネルギーに関しては，現状で宇宙船単体
ごとの自給自足状態であり，集中的な発電衛
星システムからのエネルギー供給や衛星間
の余剰電力のやり取りが行われれば、活動範
囲の広がりが期待できる。 
これに関連して、文部科学省 21世紀 COE「機
械システムイノベーション」のサブプロジェ
クトである「宇宙エネルギーイノベーショ
ン」や，日本学術振興会日韓二国間共同研究
「宇宙エネルギー変換イノベーション」など
において，2 つの小型衛星を打ち上げて，そ
の衛星間で無線エネルギー伝送デモンスト
レーション実験をおこなう機運が高まって
きている．国内外では，マイクロ波フェーズ
ドアレー伝送システムや，太陽光励起固体レ
ーザーを用いた光伝送システムが提案され，
その実現性を競っている．マイクロ波伝送シ
ステムの研究は先行していて，93 年に，京
大・神戸大のグループが，軌道上での衛星間
マイクロ波エネルギー伝送デモンストレー
ション(METS 実験)に成功している.[文献 1]
光技術に関しては，05 年日欧の共同実験で，
JAXA衛星「きらり」と ESA衛星「アルテミ
ス」間の衛星間光通信に世界で初めて成功し，
軌道上におけるレーザー光補足追尾技術が
格段に向上した． 
 
２．研究の目的 
無線電力伝送を利用して、宇宙空間における
宇宙機や人工衛星間での無線送電技術の基
礎研究を行う。本研究では衛星搭載可能な電
力伝送システムについて提案する．  
 
３．研究の方法 
磁界共鳴やミリ波を利用した今までにない
新たな送電方式による成立性および技術の
開発に取り組んだ。近年の無線送電の分野で
は、磁界共鳴方式と呼ばれる技術が盛んに利
用されており、14 年に MIT のグループが国
際宇宙ステーション内で、模擬衛星を用いた
磁界共鳴ワイヤレス給電のデモに成功して
いる.またミリ波は指向性の高さエネルギー
密度の高さから従来のマイクロ波方式に比
べてより長距離での利用、宇宙空間での利用
が期待される。 
 
４．研究成果 
 ハブ衛星から小型衛星への複数近接給電
を想定して，受電側回路におけるスイッチン
グ回路を利用した位置によらない一定電力
を得られるシステムを考案した。衛星内部の
構造部への給電を可能とするために，金属を
介したエネルギー給電に関するシステムを
考案した。 
また宇宙空間における長距離人工衛星間
給電を想定して、ミリ波型電力伝送システム
の人工衛星への搭載を視野に，発信源として
ジャイロトロンを利用した実験を筑波大学
プラズマ研究センタ及び福井大学遠赤外線
研究センタと共同で行った。 
 
５．主な発表論文等 
（研究代表者、研究分担者及び連携研究者に
は下線） 
 
〔雑誌論文〕（計 7件） 
 
1. K. Shimamura, H. Sawahara, A. Oda, S. 
Minakawa, S. Mizojiri, S. Suganuma, K. 
Mori, and K. Komurasaki, Feasibility study 
of microwave wireless powered flight for 
micro air vehicles, Wireless Power Transfer, 
Volume 4, Issue 2 (Contactless Charging for 
Electric Vehicles) September 2017 , pp. 
146-159 (査読有) 
2. K. Shimamura, K. Ohno, S. Yokota, 
Pseudo-Resonator Method for Power 
Delivery through Metal Barriers Based on 
Magnetic Resonance Coupling, TJSASS, 
Aerospace Technology Japan, ISTS special 
issue (2018)(in Press) (査読有) 
3. 皆川俊介，溝尻 征，嶋村耕平，横田 
茂，斉藤輝雄，立松芳典，山口裕資，
福成雅史，303 GHz レクテナのジャイ
ロトロンを用いた評価実験，信学技報, 
vol. 117, no. 466, WPT2017-76, pp. 45-49, 
2018年 3月 （査読無） 
4. 鈴木雅敏，松倉真帆，溝尻征，嶋村耕
平，横田茂，假家強，南龍太郎，28GHz
ジャイロトロンを用いた長距離無線電
力伝送の検討 , 宇宙太陽発電 vol.3 
p15-17, 2018年（査読無） 
5. 松倉真帆，鈴木雅敏，嶋村耕平，南龍
太郎，假家強，横田茂: 300kW級ジャ
イロトロンを用いた 28GHz レクテナ
無線送電, 信学技報, vol. 117, no. 318, 
WPT2017-52, pp. 45-48, 2017 年 11 月
（査読無） 
6. 大野圭介、嶋村耕平、横田茂、磁気共
振方式における金属構造物を共振器と
した場合の無線給電への影響、信学技
報, vol. 116, no. 74, WPT2016-12, pp. 
17-18, 2016年（査読無） 
7. 桑原尚希、嶋村耕平、横田茂、磁気共
振結合の受電側スイッチングによる複
数デバイス給電、信学技報, vol. 116, no. 
12, WPT2016-5, pp. 23-25, 2016年（査
読無） 
 
 
〔学会発表〕（計 11件） 
1. Maho Matsukura, Masatoshi Suzuki, 
Sei Mizojiri, Satoru Suganuma, Kohei 
Shimamura, Shigeru Yokota, Ryutaro 
Minami, and Tsuyoshi Kariya,, 
Demonstration of long distance 
transmission with rectenna array using 
300kW-class 28GHz Gyrotron, IEEE 
MTT-S Wireless Power Transfer 
Conference June3-7, 2018 
Polytechnique Montreal, Canada. 
2. Sei Mizojiri, Shunsuke Minakawa, 
Masatoshi Suzuki, Kohei Shimamura, 
Shigeru Yokota, Masafumi Fukunari, 
Teruo Saito, Yoshinori Tatematsu and 
Yusuke Yamaguchi, Sub-Terahertz MSL 
and CPW rectenna using 303 GHz 300 
kW-class Gyrotron, IEEE MTT-S 
Wireless Power Transfer Conference 
June3-7, 2018 Polytechnique Montreal, 
Canada. 
3. M. Suzuki, Maho MATSUKURA，Kohei 
SHIMAMURA ， Sigeru YOKOTA1, 
Tsuyoshi KARIYA，Ryutaro MINAMI, 
High Power and Long Distance 
Microwave WPT using 300kW Gyrotron 
at 28GHz , 2017 Asian Wireless Power 
Transfer Workshop (AWPT2017), 
Singapore December 2017 . （口頭） 
4. N. Kuwabara, K. Ohno, K. Shimamura, 
S. Yokota, Wireless power tramsmission 
for the small space satellite via Magnetic 
resonant coupling, 31st International 
Symposium on Space Technology and 
Science, Matsuyama, July, 2017 (ポスタ
ー)  
5. K. Ohno, K. Shimamura, S. Yokota, 
Pseudo-Resonator Method for Power 
Delivery through Metal Barriers Based on 
Magnetic Resonance Coupling, 31st 
International Symposium on Space 
Technology and Science, Matsuyama, 
July, 2017 (ポスター) 
6. 高木健吾, 皆川俊介，溝尻 征，嶋村
耕平，横田 茂，斉藤輝雄，立松芳典，
山口裕資，福成雅史，303GHz ジャイ
ロトロンを用いたレクテナの評価, 第
37 回宇宙エネルギーシンポジウム , 
ISAS/JAXA, 相模原, 2018 年 3 月（口
頭） 
7. 皆川俊介，溝尻 征，嶋村耕平，横田 
茂，斉藤輝雄，立松芳典，山口裕資，
福成雅史，303 GHz レクテナのジャイ
ロトロンを用いた評価実験，無線電力
伝送研究会,京都大学宇治キャンパス , 
2018年 3月（口頭） 
8. 鈴木雅敏，松倉真帆，溝尻征，嶋村耕
平，横田茂，假家強，南龍太郎，28GHz
ジャイロトロンを用いた長距離無線電
力伝送の検討, 宇宙太陽発電, 東北大
学青葉台キャンパス 2018年 11月（口
頭） 
9. 松倉真帆，鈴木雅敏，嶋村耕平，南龍
太郎，假家強，横田茂: 300kW級ジャ
イロトロンを用いた 28GHz レクテナ
無線送電, 無線電力伝送研究会, 機械
振興会館, 東京, 2017年 11月(口頭) 
10. 大野圭介、嶋村耕平、横田茂、磁気共
振方式における金属構造物を共振器と
した場合の無線給電への影響、無線電
力伝送研究会, 機械振興会館, 東京大
学本郷キャンパス, 2016年 6月(口頭) 
11. 桑原尚希、嶋村耕平、横田茂、磁気共
振結合の受電側スイッチングによる複
数デバイス給電、無線電力伝送研究会, 
機械振興会館, 東京 2016年 4月（口頭） 
 
 
〔その他〕 
ホームページ等 
http://wpp.kz.tsukuba.ac.jp/index.html 
 
６．研究組織 
(1)研究代表者 
嶋村 耕平（SHIMAMURA, Kohei） 
筑波大学・システム情報系・助教 
 研究者番号：90736183 
 
(4)研究協力者 
南龍太郎 (MINAMI, Ryutaro) 
假家強   (KARIYA, Tsuyoshi) 
斉藤輝雄 (SAITOH, Teruo) 
立松芳典 (TATEMATSU, Yoshinori) 
山口裕資 (YAMAGUCHI, Yuusuke) 
福成雅史 (FUKUNARI, Masafumi) 
横田 茂 （YOKOTA, Shigeru） 
 


磁界共鳴による人工衛星間無線エネルギー送電の実現

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磁界共鳴による人工衛星間無線エネルギー送電の実現

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