地域住民の高血圧、高脂血症、耐糖能異常に対する健康教育の試み

Abstract

【目的】厚生労働省による保健事業第四次計画に基づき、平成12年より、個別健康教育が、高血圧、高脂血症、糖尿病、喫煙の4領域において導入されている。その手法に加え、医師講話や運動教室などの集団指導を取り入れた健康教育を長崎県F町で行った。【方法】F町の基本健康診査受診者のうち、血圧が収縮期血圧140-159もしくは拡張期血圧110-139mg/dlのどちらかを満たす者(15人)、総コレステロール値が220-260mg/d(30人)、空腹時血糖が110-139mg/dlもしくは随時血糖が140-199mg/dl(13人)、を対象とした。まず、生活プロフィール調査を行い、コンピュータ・ソフト「知食2.0」により解析し、対象者の食事摂取状況とその問題点、運動の実施状況を把握した。6ヶ月間で計5回の面接を行い、栄養、運動などの生活改善の方向付け、行動の確認および評価を繰り返し行った。また、動機付けのための医師による講話3回に加え運動教室1回、味覚チェック1回、バイキング料理による栄養教育1回を行った。採血は開2, 4, 6(終了時)ヶ月目の計三回行った。【結果】高血圧対象者では収縮期血圧に変化はなかったが拡張期血圧は有意に低下していた。高脂血症対象者では総コレステロール値は有意に上昇していたが、これは総コレステロール中のHDLコレステロールが有意に上昇していることが影響していると思われた。中性脂肪は減少したが、有意ではなかった。血糖値は下降していたが、有意な低下ではなかった、しかし、HbA1cは有意に低下していた。運動面ではウオーキングの推奨により歩行数が増加した。食生活では、摂取カロリーが低下した。また、意識的に肉類より魚介類を摂取するようになった。野菜の摂取量の増加、間食の減少などの行動変容もみられた。また、生活習慣病の原因に対しての理解度が増加した。【結論】今回の健康教育前後では3対象分野においてそれぞれ改善が見られた。また、食事、運動などの行動変容がみられた

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