近赤外分光法による打楽器演奏時の脳活動計測

Abstract

近赤外線分光法の特徴である拘束性が低い点に注目して、楽器を演奏する際の前頭葉の活動計測を試みた。プロのミュージシャンに協力を依頼し、先行研究の追試および楽器の熟練度や楽器の種類によって脳活動の変化に違いがあるか調べた。ミュージシャンと素人を対象に、音楽を聴いている条件、音楽に合わせて楽器を演奏する条件、楽器を演奏する条件で比較した。素人では楽器を演奏すると酸化ヘモグロビン量は増加し、特に音楽に合わせて楽器を演奏する条件でもっとも増えた。ミュージシャンでは、どの条件でも特に変化は認めなかった。また、ミュージシャンが、パチカとジャンベという2つの異なった打楽器を演奏する際、脳活動にどのような変化が認められるかを目的に計測した。楽譜通りに演奏する条件で、ジャンベのほうが酸化ヘモグロビンの増加変化が強く認めた。熟達化や定まった規則的な行動を予測することが前頭葉の機能に影響することが考えられた

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